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高崎 規格外野菜を使ったジュース 農家と連携し生ごみゼロも

  • 2023年03月01日

「ほっとぐんま630」でお伝えしている「菅原が行く、中谷が行く」。今回は、傷があるなどの理由で市場には出ない、規格外の野菜や果物を用いた取り組みです。高崎市で、こうした野菜や果物を使い、特殊な製法でジュースを作っている男性がいます。群馬の野菜や果物の魅力を広めたいという、熱い思いを取材しました。

(前橋局キャスター中谷実夏/2023年2月取材)

規格外の果物や野菜を利用

色鮮やかできれいなジュース。

これらは県内産のビーツ、にんじん、りんごなどから作られています。実はいずれも規格外の果物や有機野菜です。

どんなジュースなのか、作っている岡田康弘さんに話を聞きました。

岡田さんはもともと会社員でしたが、体調を崩して退職。その後は農家の手伝いを始めました。その中で農家の抱える問題を知ったことが店を始めるきっかけとなりました。

岡田康弘さん

「規格外になってしまう野菜がたくさん出ることが慢性的な困りごととしてあって、傷がついていても野菜自体の味は変わらないし、それを私たちが大量に買い受けることで、農家さんの困りごとを1つ解消できるということです」

特殊な製法でジュースを

こちらの店では現在、県内の8件の農家と契約。規格外の野菜や果物を買い取っています。

さっそくジュースの作り方を見せてもらうことに。

岡田康弘さん

「250ミリのパウチ1本に800グラムの野菜が使われている」

「これだけの野菜を実際の1日の食事でとろうと思うとけっこう難しいですよね」

岡田康弘さん

「しかも生でとるのは難しいと思うし、料理にしてもこれだけ野菜使うのは大変だと思う。一方でジュースだったら1本で摂取ができるし、とても効率がいい」

ジュースを作る製法には特徴があります。「コールドプレス」という製法で野菜や果物に、強い圧力をかけて作ります。

熱に弱い酵素やビタミンなどの栄養を損なうことなく、より効果的に絞ることができるといいます。水や甘味料なども使いません。

「おいしいです。かなり新鮮でさらっとした飲み口ですね。甘みもあって飲みやすいので野菜の苦手な方も飲みやすいのでは」

生ごみゼロの取り組み

さらに、この野菜の絞りかすも有効活用し、生ごみゼロを実現しているんです。

岡田康弘さん

「数日から数週間すると完全に発酵して堆肥になって、それで農家さんにその堆肥をまたお戻しする。農家さんにもすごく喜ばれていますよ」

"群馬の野菜 果物の魅力を伝える”

岡田さんは、地域の農家と協力し、群馬の野菜や果物の魅力を日本中に伝えていきたいと言います

岡田康弘さん
群馬の野菜のすばらしさ、こんなになんでもいろいろな素材がそろう県はないと思うし、群馬を代表するようなおいしい野菜ジュースを農家さんと一緒に知恵を出し合って作っていくのが当面の目標です

岡田さんは現在も週に1回程度、農家を訪れ、農家の困りごとに応じられるようコミュニケーションを欠かさないということです。作られたジュースは高崎市の店舗または店のオンラインショップで購入できます。

  • 中谷実夏

    前橋放送局キャスター

    中谷実夏

    今年度からキャスター。夕方のニュース番組「ほっとぐんま630」を担当。群馬県に住むのは初めて。「楽しそう」、「気になる」場所に積極的に足を運ぶ

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