高崎市 和菓子に新しい風を 老舗和菓子店5代目の挑戦
- 2022年12月07日

「ほっとぐんま630」でお伝えしている「菅原が行く、中谷が行く」。今回、中谷が行ってきたのは、高崎市の老舗和菓子店です。
食習慣の変化などによって和菓子の需要は大きく減少しています。そうした中、いま新しい風を吹かせようとしている若手の和菓子職人を取材しました。
(前橋放送局キャスター中谷実夏/2022年11月取材)
洋菓子人気に押されて

高崎市にある創業124年の老舗の和菓子店の4代目、風間隆之さんと5代目を継ぐ長女の咲紀さん(29)です。
この店では、もともとは薄皮まんじゅうを中心に販売していましたが、洋菓子人気に押されるなどして売り上げは大幅に落ち込んでしまいました。

「本当にゼロになるくらいの数に減ってしまったので本当に何かしなくちゃいけないってのは考えました」
和菓子に新たな風を

そんな中、去年4月、東京の和菓子店で修行していた咲紀さんが後を継ぐため店に加わり、新商品の開発に乗り出しました。

「SNSを私自身も利用していて、そのときに目にとまるような商品っていうのは見た目もきれいなものが多いので、積極的にカラフルな色を使うというか和菓子離れが進んでいる若年層に幅広くアプローチをかけていけるように頑張っています」

こちらは季節の上生菓子。
これまでは桜など伝統的な模様のみでしたが、咲紀さんはそれに加えて鮮やかな色を使ったかわいらしい形の商品を発案しました。

「保育園くらいのお子様とお母様のセットで、あ!サンタクロース!とショーケースを見て買っていく方もいらっしゃいます」

私も和菓子作りの体験をさせてもらったのですが…。

「本当に難しくて思ったよりうまくいかない!ひとつひとつ繊細な模様や形を手仕事で作る難しさを痛感しました」
これは和菓子?イメージはカクテル

さらに、カクテルをイメージして作られた琥珀糖と呼ばれる商品も。
左から順にダージリンクーラー、モヒート、チャイナブルー、カシスオレンジです。

「父も私もなんですけどお酒が大好きで、カクテルって種類も豊富で味も豊富で色もきれいなので、それをシリーズとして商品開発できればおもしろいんじゃないかと思って。お酒の名前は付いているんですけど、ノンアルコールのリキュールだったりを使っているので、本当に幅広く買っていってくださります」

色もきれいですが、お味のほうも気になりますよね。
試食させてもらいました。
頂いたのはショウガや紅茶の味が大人気のダージリンクーラーです。

「あ、固いんですね。外はシャリッとしていて、中がゼリーのように柔らかくて、そして紅茶の上品な味が口の中に広がっておいしいです」
若い世代に和菓子の魅力を知ってほしい

咲紀さんはSNSでの発信にも力を入れています。
何枚も写真を撮って投稿しているそうです。

「和菓子屋さんに入るっていうのは若い方たちには結構ハードルが高いみたいで、その若い世代の方も気軽に入ってくださいみたいな感じのアットホームな投稿が出来るようには心がけています」

「(客層が)若くなってきて女性が多くなりましたね。高校生みたいな子もほぼほぼ来ることはなかったんですけども来てくれるようになりましたね」
伝統を守るために、新しいことを取り入れる。咲紀さんの挑戦は続きます。

風間咲紀さん
「長年地元のお客様に愛された商品っていうのはそんなに大幅にリニューアルをせずに昔ながらのお菓子のいいところをとって小売店ならではの個人個人に寄り添ったお菓子を作れるようになるのが今の目標です」