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太田市 国際化進み市役所には“外国語”窓口も

  • 2023年02月10日

群馬県東部の太田市。

ブラジルやベトナム、フィリピンなど、60か国以上の国籍の住民が暮らしています。
そんな多国籍な太田市の市役所には、彼らの暮らしをサポートする相談窓口があります。 どんな相談にやってくるのか、聞いてきました。

(前橋放送局 記者 中藤貴常・ディレクター 猪飼奈々/2022年6月取材) 

4か国語の窓口を設置

東武鉄道太田駅から徒歩10分、ひときわ目立つ大きな建物が太田市役所です。 

市役所に入り、奥に進むと…?  

目に入ってきたのは「外国人市民相談窓口」の文字。  

ポルトガル語スペイン語中国語英語の4か国語のブースがあり 
それぞれの言語を話せる相談員が行政手続きなどの相談を受け付けています。 

こうした窓口は外国人住民の多い大泉町をはじめ、前橋市伊勢崎市などにも設けられています。 

窓口に来るのは どんな人?

みなさん、どんな相談に来るのだろうか…? 
早速声をかけてみました。 

1人目は、ブラジルから来日した女性です。 

 結婚で姓が変わり、銀行口座が使えなくなったとのこと。 

「じょ、ひょう、除票…」 
日本人の私でも聞き慣れないことばが出ていました。 

でも大丈夫。 
ポルトガル語も話せる相談員が一緒に担当窓口まで行って、通訳もしてくれます。 

 市役所での手続きは、日本語がわからないと難しいものばかり。 
相談員がいてくれると安心ですね。 

再び、ポルトガル語の相談ブースへ。 

次は、20代の日系ブラジル人男性です。  

聞くと、明後日から車工場での仕事をスタートするとのこと。 
社会保険に加入するために必要な住民票を取りに来たそうです。 

20分後…  

無事に住民票をゲットできました。

新しい仕事、がんばってくださいね!   

続いては、中国語の相談ブース。 
2人の中国人男性が訪れていました。  

目的は、太田市が発行している「お知らせ」。 
市は毎月、中国語・ポルトガル語・スペイン語・英語・やさしい日本語で 
「お知らせ」を発行しているんです。 

6月の内容を見てみると、 
新型コロナワクチンの案内が掲載されていました。 

他にも、休日診療に対応している病院の情報や児童手当の制度変更についてなど 
日本で暮らすうえで大事な情報が盛りだくさん! 

いつも多めにもらって、他の中国人の友人たちにも渡すそうです。

母国語で情報収集ができる機会は大切なんですね!

最後は、英語ブースを訪れた男性です。 

出身を聞いてみると…? 

日本人女性と結婚したばかりだというカナダ人の男性、 
妻の実家がある群馬県太田市で暮らすことを決め、来日したそうです。  

そんな新婚ホヤホヤの男性が持ってきていたのは 
パートナーが書いてくれたという英語で書かれたメモ。 

よく見てみると…「KISONENNKINNBANGO(基礎年金番号)」の文字。 
これから日本で生きていく!というご夫婦の決意かなと感じました。 

年金のほか、健康保険や住民登録の手続きもしなければいけないと話す男性。 
窓口でこう語っていました。 

カナダ人の男性
「カナダでは自分で何でもできたけど、日本ではいつも誰かの助けが必要です。でも群馬のみんなはとても親切です」

行政窓口にもサポートの充実が重要に

言語も文化も違う慣れない環境で暮らすのは、誰にとっても大変で不安なこと。 

外国にルーツを持つ人が増える今、太田市役所のように多国語での通訳や相談員などのサポートの充実が求められていると感じました。

  • 中藤貴常

    前橋放送局 記者

    中藤貴常

    警察・司法を担当後、現在は両毛広域支局で行政・スポーツなどを幅広く取材

  • 猪飼奈々

    前橋放送局 ディレクター

    猪飼奈々

    2020年入局。海外での経験を生かして群馬県に住む外国人の暮らしや課題を取材。休日は群馬の自然を満喫しています。

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