ページの本文へ

ぐんまWEBリポート

  1. NHK前橋
  2. ぐんまWEBリポート
  3. 前橋 高校生の学習室 コロナ禍でも“合同文化祭”が生まれた

前橋 高校生の学習室 コロナ禍でも“合同文化祭”が生まれた

  • 2022年06月08日

「ほっとぐんま630」でお伝えしている「菅原が行く」、「中谷が行く」。今回は、中谷が前橋駅前の複合ビルにある高校生の学習室に向かいました。
開設から1年、利用が好調だということで、その理由を探ってきました。

(前橋放送局キャスター中谷実夏/2022年5月取材)

好調なワケは口コミやSNS

「この中には高校生の学習室があるということで、早速行ってみます」

学習室があるのは前橋駅前にある複合ビルの2階です。

「こちらのエスカレーターの先には・・・ありました!高校生学習室、こちらです」

この学習室、「前橋駅周辺に勉強ができる場所を作ってほしい」という高校生からの要望が市に寄せられたことを受けて、去年、開設されました。

利用していた卒業生が寄付した参考書が並び・・・。

幅広い経験も積み重ねてもらおうと、ボランティア情報の提供をしています。

 

利用する高校生

「インスタグラムで見て、ここで勉強はどうかなと思って来てみました」

利用する高校生

「学校の中ではない、つながりができています」

利用する高校生

「友達と来るので仲は深まるかな」

この日は、文化祭のPRをしようと仮装して訪れていた生徒たちもいました。

「愛用しています」

口コミやSNSで広がり、5月の利用者は2600人以上。1日100人以上訪れる日もあり、利用は好調だといいます。

ガチガチでなく“ゆるい場所”に

学習室を運営する団体の代表、小高広大さんです。
実は小高さんが高校時代、市長に学習室の設置を提言したそうです。高崎市出身で現在、慶應義塾大学の4年生。なんと私の大学の後輩でした。

学習室の運営団体代表 小高広大さん
「私の所属しているゼミが、居場所やコミュニティーを研究しています。若い子は特にそうなんですけど、“ガチガチ”すぎると近寄りづらいというか、自分が何の目的もないけれど、ふらっと立ち寄れる場所ができたらいいなって思っていました。干渉されない“ゆるい場所”になるように心がけています」

大学生活が見える

施設の特徴は大学生が常駐していること。進路や受験の情報交換ができます。

前橋市の高校に通う3年生
「年が近くて話しやすい環境が今まではなかったけれど、ここに来ていろいろなことを話せたり、大学生活の“今”みたいなものを知ったりできるので、すごくそれに憧れを感じます」

“合同文化祭”もここから

学習室では思わぬ効果もあったといいます。

3月に市内の施設で開かれた「文化祭」。

17の高校の生徒たちが参加して合同で開かれました。

新型コロナの影響を受けて、多くの学校で文化祭が開けなかった中、学習室で知り合った生徒たちが「一緒にやりたい」と学生スタッフに相談し、実現したそうです。

合同文化祭に携わった 高校2年生
「いろいろな高校生が集まってやったので、そこでまた関わりができて新たな楽しみというか、“私たちがやった”という達成感も生まれて本当に楽しくできました」

学習室の運営団体代表 小高広大さん
「高校生たちが集まると、何か新しいものが生まれていくんだなと、すごく実感しているところです。いろいろな高校生や大学生が交わる機会をつくっていきたいなと思いますし、この“高校生学習室”が、そのための場所になってもらえればすごくうれしいなと思っています」

支えられ、支える

そのうえで、小高さんは「高校生が大学生になって、さらに下の世代を支援する循環が生まれてきていることがうれしい」とも話していました。

この春からは、学習室を利用して大学生になった3人が支援する立場で働いているそうで、「循環」が着実に進んでいました。

  • 中谷実夏

    前橋放送局キャスター

    中谷実夏

    今年度からキャスター。夕方のニュース番組「ほっとぐんま630」を担当。群馬県に住むのは初めて。「楽しそう」、「気になる」場所に積極的に足を運ぶ

ページトップに戻る