2021年03月11日 (木)震災10年インタビュー②「住民の健康や食品への影響は(坪倉 正治 医師)」(川崎 寛司)


 

震災と原発事故から10年となる今週、この問題に最前線で向き合ってきた人たちのインタビューをお伝えしています。
第2回の3月8日(月)は、原発事故による健康への影響などを調べ続けてきた福島県立医科大学の医師、坪倉正治 主任教授です。

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10年前の原発事故で、放射線量が上昇し、懸念されたのが、体内に取り込んだ放射性物質による住民の内部被ばくでした。坪倉さんは、原発事故直後から、いち早く福島県に入り、検査にとりかかり、この10年で行ったその内部被ばく検査は15万人に上りました。住民のためにと、地域にずっと寄り添ってきました。

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10年経った今、住民の健康や食品への影響はどうなっているのか。放射線研究のスペシャリストとして、福島を見続けてきた坪倉さんに伺いました。

以下に、坪倉医師のインタビューの一部を記させていただきます。

 

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最初の頃は、放射線の量や被ばくの量が(社会の)最大の関心事で問題でしたが、内部被ばくとか外部被ばくなど、被ばくの検査が淡々と行われる中で、住民の方々の被ばく量は、(被ばくが)あったとしても大きなものではないことが科学的に分かってきた。また、それによって健康影響を危惧する状況には基本的にはないことも分かってきた。

空間線量も健康影響を危惧する状況には基本的にはないレベルまで下がってきた。そうしたことについて、10年経って、「そうなの?」「どうなの?」と聞かれるし、知識が定着しづらい部分でもあるので、もう一度、広くお伝えしたいなと思っている。

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川崎)大きな課題になった食品への影響についてはどう感じていますか。
現在、福島県内で、食事などで内部被ばくするという状況では全然ない。食品の安全性はすごく確保されているという状況がデータとしてあります。福島は、やっぱり10年いて、ごはんもおいしいし、人がいいし、良いところがいっぱいあるので、交流がより進めばいいなと思いますね。

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一方で、原発事故による偏見や差別があってはならないが、そういうものに対してちゃんと反論したり、打ち返せるような力を持ってほしい。そのために医療者として、例えばお子さんに何かを伝えたり、小さい子どもを持つお母さんに伝えたりするために、今、こういう状況だというデータをまとめる仕事は続けなければいけないと思っています。

以上、坪倉医師のインタビューでした。

 

坪倉さん、お忙しいところインタビューに応じてくださり、ありがとうございました

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 (右は、一緒に取材し、撮影を担当した前橋局の八重樫ディレクター)。

 

投稿者:川崎寛司 | 投稿時間:14:00

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