2022年01月11日 (火) まちに新しい物語を
明けましておめでとうございます。
「ほっとぐんま630」ともども、ことしもどうぞよろしくお願い致します。
そして、皆さんにとって、新しい年が、幸多き1年になりますよう、心よりお祈り申し上げます。
番組の3人のキャスターが、県内で輝いている方にお話しを伺う「インタビューぐんまびと」。
去年暮れの放送では、桐生市にあるカフェ兼コミュニティスペース、カイバテラスの代表、齋藤直己(さいとう・なおみ)さんにお話しを伺いました。
齋藤さんは43歳。30代半ばでふるさと桐生にUターンし、古い町並みが残る本町地区を拠点に、まちづくり、にぎわいづくりに熱心に取り組んでいます。
カイバテラスも、明治初期に建てられた長屋を改装したもので、買い物ができる場=買場(かいば)と、長屋を意味するテラスを組み合わせて名付けたんだとか。
齋藤さんは、カイバテラスの近くに地図デザインの事務所を構え、本業のかたわら、カイバテラスで定期的にマルシェやイベントを開いたり、地域のイベント運営の中心を担ったりしています。
桐生ではおなじみの物産市、「買場紗綾市(かいばさやいち)」もそのひとつです。
私は、これまでにも、まちを元気にするために、地域に人を呼び込むために熱心に取り組んでいる方にお話しを伺ってきました。
多くの方が、強いリーダーシップや情熱をお持ちだったり、自らの信念に向かって突き進んでいくようなタイプだったりしたのですが、齋藤さんは少し違いました。
その齋藤さんに、「まちづくり、にぎわいづくりのためのイベントは、一時的に人を集めることはできますが、長続きしないのでは?」と尋ねてみました。
すると、こんな答えが返ってきました。
「自分たちが暮らすまちを、暮らしている人たちが知恵を出し合って、より居心地の良い場所にすることがまちづくりで、イベントを開くのは、多くの人たちにまちに関心を持ってもらう、きっかけを作るためなんです」と。
その答えから、齋藤さんの考えるまちづくりとは、一部の人が主導するものではなく、みんなで参加するものなのだということがわかりました。
そして、それこそが、まちづくりの理想的な姿なのではないかと…。
いま、齋藤さんの周りにはいろいろな人たちが集まり始めています。
そこには、号令をかける人がいるわけでもなく、お付き合いで参加している人もいません。
それぞれが自ら進んで参加し、まちづくりを楽しんでいるようにすらみえます。
都市部を中心に、地域との関わり、ご近所付き合いが希薄になるなか、桐生を訪ねて、住民たちが主体的にまちづくりに参加する姿を垣間見ることができました。
この動きがどんな広がりをみせるのか、今後も注目していきたいと思っています。
投稿者:原口雅臣 | 投稿時間:16:15