2022年03月24日 (木)子どもたちを見守る場に
こんにちは!「ほっとぐんま630」の原口雅臣です。
すっかり春らしくなりましたね。このブログが公開される頃には、きっと前橋でも桜が咲いていることでしょう。出会いと別れの春。前橋放送局では、この3月、増田一恵キャスターと石井由貴キャスターが卒業しました。一緒に働いてきた仲間を見送り、寂しい限りですが、4月からは新しいキャスターを迎え、「ほっとぐんま630」はさらにパワーアップします。どうぞご期待ください。
番組キャスターが、県内で輝いている方にお話を伺う「インタビューぐんまびと」は、新年度も継続します。3月15日の放送では、前橋市のJR駒形駅前にある雑貨と喫茶と宿題カフェ木下商店の店主、木下円(きのした・まどか)さんにお話を伺いました。
今回のテーマは“宿題カフェ”。皆さんはご存じでしたか?ひと言で言うと、「子どもたちが、宿題をしながら、勤めに出ている親の帰りを待つ場所」です。共働きやひとり親家庭の子どもたちの新しい居場所として、全国に広がりつつあります。
木下さん(以下、円さん)が、夫・友嗣(ゆうじ)さんと店を始める際、円さんの提案で看板に加えたのが宿題カフェでした。ご夫婦には、小学6年生と2年生のふたりのお子さんがいます。
木下さん家族
宿題カフェを作った一番の理由について、円さんは、「学校から帰った子どもたちに『お帰り』と言ってあげたかった」からだと言います。誰もいない家に帰る子どもたちの心細さを、親としてよく知っていたからです。
円さんは、平日の午後3時半から5時半まで、店の2階を宿題カフェとして開放することにしました。おやつと飲み物代(それぞれ250円)は必要ですが、近くに住んでいる子どもであれば、無料で利用することができます。さらに、週2~3回は、大学生や近所に住む大人たちがボランティアに来て、宿題を見たり遊び相手になったりしています。
今回、お話を聞いてみようと思ったのは、なぜ、宿題カフェのような場所が必要なのか、ピンとこなかったからです。円さんはこう話してくれました。「いまの子どもたちは、習い事が多いせいもあるが、放課後に子どもたちが遊ぶことはほとんどないし、子どもが、友だちの家に遊びに行くと言い出したら、まずは、相手の親に連絡を取り、許可をもらうのが普通。だからこそ、宿題カフェのような場所がないと、子どもたちが気軽に集まれない」と…。話を聞いて、「いまはここまで来ているのか」とがく然としました。
「地域の子どもは地域で育てる」という考えが昔話となったいま、子育てと仕事の両立という課題を、自分たちだけで抱え込んでいる共働き、ひとり親家庭が増えているように思います。こういう時代だからこそ、宿題カフェのような場所が増えていけば、子どもたちが、地域の中でより伸び伸び育つことができ、誰にも頼れず孤立する家庭も減るかもしれないと感じました。