2021年3月16日

2021年03月16日 (火)震災10年インタビュー⑤「大切な人の命を守って(上野 敬幸さん)」(川崎 寛司)


 

東日本大震災と福島第一原発事故から10年。
3月5日から、『ほっとぐんま630』では、最前線で向き合ってきた人たちのインタビューを、毎日お伝えしました。
第5回の3月11日(木)は、津波で両親とわが子を失い、それでも前を向いて生きる上野 敬幸さんです。

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この日は、スタジオに、ディレクターの八重樫 伊知郎デスクが出演してお伝えしました。八重樫デスクは、震災直後とその5年後の2度、福島放送局で勤務し、この10年間、上野さんの取材を続けてきました。

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震災から10年たった今、上野さんが改めて伝えたいと強く訴えたことがあります。

以下、上野さんのインタビューの一部を記させていただきます。

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人それぞれ、時間の経過をどう思うかは全然違いますが、俺はあっという間。
「もうたっちゃうんだな」という感覚。10年というと、震災の年に娘が生まれて、もう小学校3年生になるという、長い期間ですが、俺らにとっては、あっという間。ついこの間、震災が起きたような感覚。

今、伝えたいことは、震災が「教訓」にされていないということ。
震災が「教訓」にされているとずっと思っていたんですが、そうじゃないと気づかされたのが、2015年の関東・東北豪雨の鬼怒川の決壊なんです。

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(濁流の中、家に取り残された人たちが)避難する選択肢を取らなかったことが許せなくて、映像を見た時に腹立たしくてしょうがなかった。

全く教訓にされていない-。

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震災の教訓だけが残ればいい。それ以外、何を残す必要があるのか。
悲しい過去や悲しいことを残す必要はない。

それよりも、そうならないために、今ある命をどうやって守っていくか。みんなが同じ思いをしないためには、どうすべきかを、みんなが考えないといけない。

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一番の理想は、子どもたちが、自分たちの判断で避難できるぐらい、学校などで教訓や危機管理を身につけること。でも、なかなか1年、2年でそうなるものではない。
だが、子どものことを守らなければいけないという当たり前のことをちゃんと考えれば、守れるはず。3月11日がそういうことを考えてもらうきっかけになればいいと思っている。

以上、上野さんのインタビューでした。

上野さん、貴重なお話を、ありがとうございました。

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(写真右は、上野さんを10年間、記録・伝えてきた、映画監督の笠井 千晶さん。震災10年インタビュー⑥(最終回)で登場します)

上野さんについては、この10年を追った動画を八重樫デスクが制作しました。
NHK特設サイト『東日本大震災 あの日から10年~3.11ドキュメント~』の3月1日のページに掲載されています。ぜひご覧ください。

https://www3.nhk.or.jp/news/special/shinsai-portal/10/document/
(『それでも前を向いて ~福島 南相馬・新しい命と~』)

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投稿者:川崎寛司 | 投稿時間:17:00 | カテゴリ:川崎寛司 | 固定リンク

2021年03月16日 (火)震災10年インタビュー④「苦しんでいる人をおもんぱかる世の中に(阿部 光裕 住職)」(川崎 寛司)



東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故から10年。『ほっとぐんま630』では、3月5日から毎日、この問題に最前線で向き合ってきた人たちのインタビューをお届けしました。

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第4回の3月10日(水)は、福島市にある常円寺の住職、阿部 光裕(こうゆう)さんです。
阿部さんは、原発事故で不安を抱えた被災者に寄り添う活動を続けています。

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こうした経験は、いまの新型コロナウイルスに翻弄される世界でも生かせると話していました。以下、阿部住職のインタビューを一部、記させていただきます。

川崎)ふるさとを失う、なかなか自宅に帰れないでいるということは、ご本人にとっては本当に大きいことだと思いますが。

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大きい。何でもそうですが、その当事者にならないと、その人の心の中や思いはわからない。人間は知恵の生き物だから、人の気持ちをおもんぱかって、寄り添える人間であってもらいたい。

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このコロナ禍で苦しんでいる人に対し、「自分がもしその立場に立ったならば、どうなんだろう」と思いながら、日常に気をつける。

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そして、苦しんでいる人には思いを寄せる。お互いが、人としての知恵を持って温かく生きていく姿があればと思います。

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世界ではまともな検査や医療を受けられず、コロナ禍で命と向き合い、苦悩している人が大勢いることを考えると、世界中いたるところでつながる世の中であってもらいたい。

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だから、群馬の人も福島の人も、われわれが知らない国の子どもたちを思ってみたり、あるいは、そういう国の人たちが、行ったことがない日本の福島や群馬の人を思ってみたり、そういうことが自然にできる世の中になっていけたらと思います。

以上、阿部住職のインタビューでした。

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(右は、一緒に取材し、撮影を担当した前橋局の八重樫チーフディレクター)。

阿部さん、ありがとうございました。

 

投稿者:川崎寛司 | 投稿時間:10:00 | カテゴリ:川崎寛司 | 固定リンク

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