2020年9月 1日

2020年09月01日 (火)前橋局のコア・コンピタンス(局長 平元 亨)


NHKは先月4日に次期三か年経営計画の概要を機関決定し、公表しました。キーワードは、「新しいNHKらしさの追求」です。

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みなさまにとって、「NHKらしさ」とは?そして「NHKに求めるもの、期待すること」は何でしょうか?

NHKを取り巻く環境は大きく変化しています。人口・世帯数の減少等により、いずれ受信料は減収局面を迎えると言われています。そして、動画コンテンツの視聴・利用環境の変化など、放送業界は大きな転換期を迎えています。

NHKは、減収局面でもコンテンツへの投資を充実させ、視聴者・国民のみなさまが求める多様性・質の高さを実現するため、職員一人一人の創造性を最大限に生かせるスリムで強靭な組織への構造改革に取り組む決意をしました。

構造改革をしながら5つの重点投資方針を掲げ、その中の一つに「安全・安心を支える」という項目を明示しました。NHKとしては、やはりここは絶対に外せない変わらぬ価値観として、組織の存在意義になっていると言っても過言ではありません。

我々の生命・財産を脅かすもの、すなわち自然災害に対する報道は、NHKの報道の大きな柱の一つです。

なぜNHKは、災害報道、とりわけ「防災・減災」「緊急報道」「復興支援」に取り組むのでしょうか?

堅苦しい話で恐縮ですが、それは「災害対策基本法(6条)で、報道機関として唯一の指定公共機関に定められている」ことを根拠としています。電気、ガス、水道、通信などの公益事業とともに、防災に寄与する責務があるのです。また、放送法(108条)でも、災害の被害軽減に役立つ放送を義務付けられています。

防災・減災報道は、NHKの使命であり、その重みを認識して万一に備え、災害時には、人々の命と暮らしを守るための情報発信に全力を尽くすということです。ただ、個人的には、単に法定化されているからということだけではないような気がしています。

私は若い頃、渋谷の放送センターの報道局という部署で、経理と庶務の仕事をしていたことがあります。事件や事故、災害などの緊急報道の現場で、後方支援という仕事に携わった経験からすると、職種を問わず、報道現場に関わる職員・スタッフの熱量、使命感は尋常ではなく、そうしたことも一種のNHKらしさではないかという印象を持っています。私は、寝食を忘れて、被災者に寄り添い、取材する多くの同僚を知っています。組織の業務が法定化されている部分と、組織に所属する人間の意識がそうした雰囲気を作り出している面もあるのではないかと思います。まさしく、組織は人のやる気と熱意で成り立っていると感じています。

近年の災害は、広域化、長期化、激甚化の傾向が顕著です。災害の危険が切迫している時など、状況に応じて、視聴者のみなさまが必要とする情報を、テレビ、ラジオ、データ放送のみならず、ホームページ、スマートフォンのアプリなど、デジタルを含めた様々なメディアを活用してきめ細かく伝えることが重要となってきています。

そして、今年は、未だに収束の見通しが立たない新型コロナウイルスについても、日々、報道を続けています。

これは、今年の3月13日に成立した新型コロナウイルス対策の特別措置法が、これまでの「新型インフルエンザ等対策特別措置法」の対象に「新型コロナウイルス感染症」を追加したことを内容としており、元々、2013年に施行された「新型インフルエンザ等対策特別措置法」で、NHKは指定公共機関として、放送の維持継続を責務としているためです。

群馬県は比較的災害に強いという安全神話がありますが、そうした神話に安住することなく、県民のみなさまとともに50年、みなさまの命と暮らしの安全を守るため、これまでも、そしてこれからも、NHK前橋放送局は地域のみなさまの役に立つ、正確で迅速な情報発信に、職員・スタッフ一同、全局をあげて取り組んで参ります。それが、みなさまの信頼を大前提としたNHK前橋放送局の価値であり、コア・コンピタンスであると信じています。

投稿者:局長 平元 亨 | 投稿時間:09:00 | カテゴリ:局長 平元 亨 | 固定リンク

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