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現場に学ぶ防災術
身近にある土砂災害の危険

がけ崩れや土石流、地滑り。どこでも起こり得る土砂災害です。
危険区域を知り、早めに避難しましょう。

公開日:2019年6月27日

災害現場を実際に見てきた、防災・危険管理アドバイザーの山村武彦さんによる防災術。

土砂災害と聞くと、急な斜面のある山の近くで、長時間の豪雨が原因で起きるものと思いがちです。
しかし、緩やかな斜面でも、大雨が降っていない地域でも起こる可能性があります。
いつどこで起きてもおかしくない災害だと思わなくてはいけません。
我が家がどんな土砂災害に注意すべきなのか、土砂災害の種類と警戒区域を知って備えましょう。

土砂災害はどこでも起こる可能性がある災害

土砂災害は山の近くや斜面がある場所だけなく、市街地でも起こる可能性があります。また、大雨や地盤のゆるみ、地震など、条件が重なると緩やかな斜面でも起こり得ます。
過去に土砂災害が起きていなくても、今回は起こるかもしれないと考え、日ごろから注意や準備をしておくことが大切です。

土砂災害は3種類

がけ崩れ

斜面上の土砂や岩盤が突然崩れ落ちる現象。大雨や地震によって地面に水がしみ込み、地盤が緩むことで発生する。擁壁(ようへき)などが崩れ、市街地でも起こる。

土石流

渓流にたまった土砂が大雨などで一気に押し流される現象。川や斜面に沿って流れ、人の住む平地に広がり、被害を与える。山間部で起こりやすい。

地滑り

比較的緩やかな傾斜地でゆっくり土地が動き出す現象。広範囲で起きることが多く、被害も大きくなる。郊外の新しい宅地などで注意が必要。

危険区域を知っておく

各自治体から出されている土砂災害のハザードマップは、土砂災害警戒区域などの危険な場所が細かく表示されたものです。警報や避難勧告が出る前に土砂災害が起こる可能性もあります。ハザードマップを見て、自宅周辺だけでなく、通学路、勤務先の周辺、避難経路なども確認し、危険区域を知っておきましょう。

土砂災害警戒区域と土砂災害特別警戒区域

どちらも急斜面が崩れたとき、人命が危険にさらされると判断されている場所です。土砂災害特別警戒区域は、地盤や斜面が崩れることによって、さらに建物にも大きな損害が出ると予想された場所です。

念のために早めの避難

自然災害は、想定の上を行く可能性があります。災害が重なったときにどういうことが起きるかもわかりません。自宅が危険な区域にある人は、避難勧告などが出ていなくても、早めに避難しましょう。また警戒区域以外の場合にも、想定にとらわれず、ハザードマップなどを活用して、十分に警戒してください。

教えてくれた人

山村 武彦

  • 防災・危機管理アドバイザー

プロフィール

1943年、東京都出身。新潟地震(1964)を契機に、防災・危機管理のシンクタンクを設立。以来50年以上にわたり、世界中で発生する災害の現地調査を実施。企業や自治体の防災アドバイザーを歴任し、BCPマニュアルや防災・危機管理マニュアルの策定など、災害に強い企業、社会、街づくりに携わる。