ライフスタイル

現場に学ぶ防災術
地震に備える~家の中

地震発生時、家の中の安全な場所は?家具が倒れないようにするためには?
我が家でけがをしないために対策を。

公開日:2019年6月27日

災害現場を実際に見てきた、防災・危機管理アドバイザーの山村武彦さんによる防災術。

地震が起きた直後、倒れた家具や家電製品の下敷きになったり、
割れたガラスを踏んでしまったりして、多くの人が家の中でけがをしています。
家族を守るために、我が家を安全な場所にすることがとても重要。
家の中での避難場所と、けがをしないための対策を紹介します。

家の中での避難場所「安全ゾーン」をつくる

安全ゾーンとは、構造的に頑丈で転倒落下物の少ない、閉じ込められない場所のこと。トイレは安全だとだと思われがちですが、実はトイレはドアがゆがむと、閉じ込められてしまうので危険です。
日本の多くの家の場合の最も安全な場所は「玄関」です。
玄関は構造的に比較的頑丈で、外に避難しやすく、閉じ込められにくい場所なのです。
ふだんから玄関には、倒れたり落下しやすいものは置かないようにしましょう。
地震発生時、それまでいた場所から玄関までのルートが家の中での避難経路になります。移動する余裕がなければ、頑丈なテーブルの下などに身を隠します。
安全ゾーンに移動したら、まずドアを開けて、避難路を確保しましょう。強い揺れでドアが変形すると、閉じ込められる危険性があります。
ドアを開けたらサムターンを回したり、ドアガードを立てたりして、手を離しても閉まらないようにしましょう。

メモ

寝る前に家族分の履きやすい靴を玄関に並べておくと、戸外に避難するときに安心です。

大きな家具の固定は複数種類で2か所以上

大きな家具や家電製品は倒れたりしないよう、動かないように固定することが最大の安全対策です。
ただし、固定器具が1つだと、揺れに耐えられず倒れてしまうことも。固定器具は2種類以上使い、2か所以上で固定します。
また、倒れてしまっても出入口をふさがないように配置することも大切。
パソコンやテレビなどは、粘着マットやストラップ式の器具などを組み合わせて固定しましょう。
よく見る、ポール式の固定器具。ポール式の器具は、天井が弱いと、天井を突き破ってしまうことがあります。天井が弱い場合は、当て板をはさみ、奥の壁ぎわでしっかり留めます。
そのほか、くさびじょうになっているストッパー式固定器具(写真)や、L字金具、ベルト式などがあります。

窓ガラスに飛散防止フィルムを

地震で窓ガラスが割れることもあります。
割れて散らばったガラスはとても危険 。特に、夜間、停電などで真っ暗になった室内で、破片をよけて避難することはまず不可能です。また、つまずいて手をケガすることもあります。
窓ガラスには、飛散防止フィルムを貼ると、ひびが入っても飛び散らずにすみます。
また、両面に貼ると、飛散防止効果が高まります。外側には外貼り用を使いましょう。


メモ

・食器棚のガラス扉にも飛散防止フィルムを貼りましょう。
・絵や写真の額などはガラスからアクリルに替えます。落ちて割れそうなガラス製のものは低い位置に置いて。

厚底スリッパを用意

万が一、ガラスが割れてしまった時のために、寝室に底が厚いスリッパを用意しておきましょう。
安全ゾーンまで移動するときに、底が厚いと足を保護できます。

家庭内避難訓練のすすめ

地震が起きたとき、リビングや寝室から安全ゾーンである玄関まで、どのようなルートで避難するのか、あらかじめ決めて訓練しておきましょう。
夜に地震が起きて停電になったときのことも考え、電気を消し、家庭内避難訓練を行います。勝手がわかる我が家のレイアウト、と思っていても実際にはうまく動けないことが。
見えない状態でどういう防災対策が必要か、実際に体験してみましょう。

枕元に防災かごを

夜間の地震で真っ暗になってしまうと、懐中電灯や携帯電話を探すのは難しく、危険もともないます。
また、大きな地震では、枕元に置いておいた携帯電話などが飛ばされてしまうことも。
そこで携帯電話、鍵、懐中電灯などを入れる防災かごを枕元に固定して置くと安心です。かごのふちなどに蓄光テープを貼っておけば、暗闇の中でも目印になります。

教えてくれた人

山村 武彦

  • 防災・危機管理アドバイザー

プロフィール

1943年、東京都出身。新潟地震(1964)を契機に、防災・危機管理のシンクタンクを設立。以来50年以上にわたり、世界中で発生する災害の現地調査を実施。企業や自治体の防災アドバイザーを歴任し、BCPマニュアルや防災・危機管理マニュアルの策定など、災害に強い企業、社会、街づくりに携わる。