園芸・グリーン

葉の形や模様を楽しむ日本伝統の観葉植物
オモト(万年青)

日本独自に改良されてきたオモトは、冬でも青々。
江戸時代からの人気観葉植物です。引越し祝いにも。

公開日:2019年1月18日

常緑性で1年中青い姿をしていることから、漢字で「万年青」と表されるオモト。
その歴史は古く、徳川家康の江戸城入城に先立って飾られたといわれています。
独特の葉の形や模様、鉢との組み合わせを楽しんでみましょう。

オモト(万年青)

オモトは温帯性の多年草。江戸時代から栽培されていたと考えられ、観葉植物として日本独自の観点により改良育種されてきました。
徳川家康の江戸城入城に先立って、オモトを飾ったといわれていることから、今でも引っ越しのときの縁起植物としても使われています。
(写真左)錦秀の松 (写真中)お多福 (写真右)都城
(写真左)錦秀の松
(写真中)お多福
(写真右)都城

栽培環境&水やり

丈夫で育てやすく、日陰に強いので、初心者にも育てやすい植物です。
風通しのよい、明るい日陰に置いて管理します。
冬の水やりは控えめにしましょう。

葉の形の変化(芸)を楽しむ

葉の形の変化を「芸」と呼んでいます。
子株のときはその芸が未熟でも、4年、5年と年を経るごとに、その芸が完成されていく品種もあります。
獅子(しし)

獅子(しし)

葉がくるりとカールしたように巻いているもので、躍動感があります。
写真は「縞獅子」。
襟組み(えりぐみ)

襟組み(えりぐみ)

着物の襟を連想させる形で、葉の首元が重なっています。左右対称の繊細な美しさが魅力。
写真は「大黒殿」。
雅糸龍(がしりゅう)

雅糸龍(がしりゅう)

葉の表面が隆起していて勢いがあり、その力強さ、迫力が見どころです。
写真は「瑞泉」。

斑(ふ)のおもしろさを楽しむ

「斑」とは、葉の一部が黄や白に変化し、その入り方の模様を表します。
「芸」との合わせ技を披露する品種も多く、その魅力は尽きません。
縞覆輪(しまふくりん)

縞覆輪(しまふくりん)

覆輪とは、葉の外側、端の部分の色が変化しているもののこと。
これは、縞模様と覆輪が同時に入っています。
写真は「秋津島」。
曙斑(あけぼのふ)

曙斑(あけぼのふ)

葉の首元(根元)は黄色で、葉先にかけて緑色になっていくグラデーションが美しい。
写真は「外輪山」。
千代田斑(ちよだふ)

千代田斑(ちよだふ)

緑の葉に、白い筋状の模様がたくさん入っているもののこと。筋の入り方や割合で印象が異なります。
写真は「千代田の松」。

器合わせも醍醐味

器合わせも醍醐味
オモトを植えるのには、伝統的な黒い楽焼きの鉢が使われます。
さらに、鉢に豪華絢爛な彩色の図柄を用いた錦鉢も展示会などで見ることができます。オモトと錦鉢が合わさった格調高い姿は、まさに美術品。
植物と器の組み合わせは、料理と器との関係のようなもので、園芸をより一層楽しませてくれます。

監修

小笠原誓

  • 園芸研究家

プロフィール

名古屋市内で園芸店を経営。 植物全般の知識はもとより、江戸時代の園芸に造詣が深く、父・小笠原左衛門尉亮軒氏とともに、資料収集・研究も行っている。