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溝端淳平のまなびノート~学びのチャンスはどこにでも~

2023年2月6日(月)

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NHKラーニングと大河ドラマ「どうする家康」がコラボ!家康のライバル・今川氏真を演じる溝端淳平さんが、NHKラーニングの中から6本のショート動画をセレクト。学生時代から好きだったという歴史番組に、型破りな演出のスマホドラマ、そして硬派なドキュメンタリーまで。推しの理由を熱く語ったインタビューには、俳優・溝端淳平の自分磨きのヒントも満載です!

《溝端淳平》
俳優。1989(平成元)年生まれ。和歌山県出身。「第19回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」グランプリ。2010年、映画「赤い糸」で「第33回日本アカデミー賞・新人俳優賞」を受賞。大河ドラマ「どうする家康」では、徳川家康の幼なじみであり、ライバルとなる武将・今川氏真を演じる。

 

目次

 

インタビューを受ける溝端淳平

Q よろしくお願いします!「どうする家康」で溝端さん演じる今川氏真は、どんな人物ですか?

溝端)偉大な父・今川義元の下で、徳川家康と兄弟のように育ってきたエリート中のエリートです。周りからはすごく期待されて、でも義元や父が目をかけていた家康に対してすごくコンプレックスがあって・・・桶狭間の戦いの後にいろんなことがふりかかってくる中で、迷いながらも道を開いていく家康と対照的にどんどん闇に落ちていくという役柄ですね。

Q そんな氏真を演じてみて?

溝端)ダークサイドに落ちていく役っていうのは、あんまり僕自身は映像ではやったことがなくて…「どうする家康」って全体的にコメディタッチなシーンも多いんですけど、僕が出ているシーンは一切それがないんですよ(笑)常にシリアスで緊迫したシーンばっかりで。でも役者冥利に尽きるというか、やりがいのある役をいただけて本当にありがたいなと思いますね。

溝端さんがまず推してくれたのは、歴史に関する動画×3本!その理由とは・・・?

 

溝端淳平推し!動画

 

1.【歴史のへ~、ほ~】負けた戦国武将の生き残り術 あの家康も驚いた“逆転の発想”とは?

溝端淳平驚き!?今川氏真 負けた武将のサバイバル術

 

Q 「歴史」はお好きなんですか?

溝端)学生時代は「その時歴史が動いた」とか、時間がある時は見てましたね。やっぱり面白いんですよ、歴史上の人物がなぜ行動を起こしたのか、細かくドラマチックに描かれてて。教科書に載ってる数字と言葉だけ覚えるっていうのは退屈ですけど、そのときのその人の思いとか、人となりとかを知れたうえで歴史が学べるから「楽しいな」って思ってましたね。

Q ご自身演じる今川氏真の生涯を描いたコンテンツ、推しポイントは?

溝端)“こだわりを捨てる”というのが印象的でした。もともと父である今川義元は、戦よりも朝廷とのつながりを大事にしてどんどん位を上げて、最先端の教育を受けて、武器ではなく筆を持って戦国の世を治めていこうとしていた人物なんですよね。きっと氏真は、何とか生き残って父が志した戦のない世界をつくりたいと思って、たとえ戦国大名ではなくなったとしても乱世を生き抜くことを選んだんだと思いました。戦国時代の「忠義のために死ぬ」という価値観よりも、「生きてなんぼや」っていう、ある種現代に近い考え方を持っていた人で、だからこそ歴史上まれに見る数奇な運命をたどったんじゃないのかなと感じましたね。

Q 溝端さん演じる氏真像と重なる部分はありますか?

溝端)「どうする家康」の中で僕が演じさせてもらってる氏真っていうのは、戦に出たいし、本当にプライドの塊のような人間なんですね。決して悪人というわけじゃないけど、とにかくさみしくて人が信じられなくなって、結果自暴自棄になっていっちゃう。氏真の詠んだ歌で僕が好きなものがあって、自分には才能がなかった、時代が合わなかったっていう歌(※)なんですけど…なので「こだわりを捨てた・捨てられた人」っていうのはとてもしっくりくる気がしましたね。

※なかなかに 世をも人をも 恨むまじ 時にあはぬを 身のとがにして(今川氏真)

次に溝端さんが推してくれたのは…斬新な演出の、“あの”スマホシリーズ!

 

2.【光秀のスマホ】え!?今川さん、討たれたの!?

光秀のスマホ え!?今川さん、討たれたの!?

Q どうしてこの動画をおススメしよう!と思ったのでしょうか

溝端)すっごい面白いんですよ(笑)もちろんスマホは当時なかったでしょうけど、光秀はじめこの時代の方たちの心の動きが、現代に置き換えることですっと入ってくるんですよね。やっぱり戦だけじゃなくて情報戦とかうわさとか、他の人がどう動くかっていうのは多分みんな気になってたことだろうし、それを現代のスマホに置き換えると非常に分かりやすかったです。どうしても歴史を学校で学ぶときって、誰がここで何年にこうしたっていうものばっかりですけど、その間のそれぞれの感情とか、きっとこうだったんじゃないか的なものが伝わってくると断然面白いなと思います。

Q 「戦国武将がスマホを持っていたら」という振り切った設定ですが・・・

溝端)大河ドラマにしろ歴史学にしろ、やっぱり10年前、20年前と通説がどんどん変わってきて新しい情報が出てきますよね。それで明智光秀の解釈も、今川氏真の解釈も変わってくる。特に戦国時代はどの視点に立つかによって全然物事の見え方が違っただろうし、これまで構築されてきた作品や解釈を継承しつつ壊していくっていうのが正しい姿勢かなと思うので…そういう意味で言うと、型とかそういうものにとらわれず挑戦しているこの作品はすごくステキだなって思いますね。

 

《「武将スマホシリーズ」は、全編ネットで配信中!》
光秀のスマホ」 「土方のスマホ」 「義経のスマホ」 (※NHKサイトを離れます)

 

さらに!新シリーズ「信長のスマホ」もスタート!ぜひチェックしてみてください。
信長のスマホ」 

3.【レキデリ】東京03が探求!なぜ江戸幕府は長く続いたのか?

東京03が探る!江戸幕府260年の歴史は大名配置にあり!?

Q こちらも一風変わった「歴史コンテンツ」、おススメのポイントは?

溝端)東京03さんのコントは本当すばらしいので、面白くてよくできてるなっていうか… だからその流れでこうやって歴史の勉強ができるっていうのは、非常にぜいたくなことだなと。歴史の地図資料も初めて見たんですけど、ちゃんと地図から読み取れるものがしっかりあって、楽しい動画だと思います。学生時代にこういうのがあればよかったですね(笑)

歴史モノって、本当におのおのの解釈や好みで選んでいいと思うんですよね。最初の氏真のような王道のものから、光秀のスマホ、さらに東京03のコントまで、学ぶ上での入口は

きっとたくさんあると思うので、自分にあった入口を見つけてもらえればなと思います!

ありがとうございます!!

《「レキデリ」は NHK for schoolでも配信中!》

 

続いての溝端さんのおススメは、ドキュメンタリー!!

 

4.【プロフェッショナル 仕事の流儀】交通誘導警備員 知られざるその仕事とは

溝端さん絶賛 これぞ一流!交通誘導警備員の仕事

 

5.【プロフェッショナル 仕事の流儀】交通誘導のプロ “旗じいちゃん”の幸せとは

溝端さん絶賛 旗じいちゃん 罪滅ぼしが生きる道

Q ドキュメンタリー番組もお好きなんですよね。こちらの見どころは?

溝端)84歳って、免許返納するぐらいの年齢ですよね。その人に命を預けるわけなので、それだけやっぱり実績と信頼がないと任せられないですよね。しゃべり方一つにしても、立ち方立ち姿にしても、何かその人の人生を物語ってるなって思いましたね。どんなに一生懸命やってる方でも若い人じゃ成り立たない“哀愁”というか…「食っていくためですよ」っていうのも、飾ってない本当の言葉って感じがしましたね。たとえば有名なお医者さんとか俳優さん、スポーツ選手とかはインタビューを見たり読んだりできるかもしれないけど、主人公の上野さんのような方のお話、生き様みたいなものは、NHKさんだからこそスポットライトを当てられるというか…ふだんの生活で目にする機会はあるかもしれないけど、ゆっくりお話を聞くことはないですからね。とても貴重だと思います。

Q 溝端さんにとって、ドキュメンタリー番組とは?

溝端)昔から表面上の会話とか、何となくその場しのぎの人づきあいとか会話っていうのが、僕自身あんまり得意ではないんですね。本音で全部言っちゃうというか、だから相手にも本音を言ってほしいっていうか…それもそれで自分の性格としては難儀だなと思ってる部分もあるんですけど(笑)ドラマとか映画も、演じている人はその役に全身全霊でなり切ろうとしてるって意味では、そこにリアリティーがあるし、ドキュメンタリー、人の真に迫るもの、人のここにあるものは何なんだろうみたいな疑問は、自分自身生きている上で持っているので…こういうドキュメンタリー作品に惹かれちゃうんでしょうかね。何か胸が熱くなるっていうんでしょうか。

Q 俳優としてのお仕事にも、深いところで結びついているんでしょうか?

溝端)そうかもしれないですね…人間観察っていうか、ふだん会わないような人や、会って話を聞けないような人の本当の部分を見られるっていうのは、お芝居する上で貴重ですね。お芝居してても思うんですけど、演技力とか見てくれとか色々ありますけど、やっぱりその人から漏れ出る雰囲気みたいなものには勝てないなって思うので、何かそういう人がいると気になって話を聞きたくなるし、ドキュメンタリーも見たくなるんですよね。“自分が触れてこなかったもの” “自分が知り得ない世界”っていうものをちょっとでも覗きたいなっていう思いはありますね。

ドキュメンタリー愛が止まらない溝端さん!

最後にもう1本、おススメのショート動画を教えてくれました。

 

6.【病院ラジオ】 リハビリテーション病院で“胸に秘める思い”を聞く

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Q この動画を選んだ理由を教えてください

溝端)病院っていう、少し悲しいとか、暗いってイメージがある場所で、サンドウィッチマンさんがポジティブに前向きに、たくましく生きてるみなさんのお話を聞くっていう、本当にステキな番組だなと思います。僕も親族に障害のある子がいるんですけど、何だろうな逆に…明るさだったり笑顔だったり楽しさだったり、障害を重くネガティブにとらえないでって思ってる方もいっぱいいると思うんですよね。どうしてもそういう話を聞くとナイーブになったり、どういう言葉を聞き返していいかとか多分悩んじゃうと思うんですけど。やっぱりサンドウィッチマンさんがああいう優しい笑いで包み込んでくれるという…本当に優しさしかない番組だなと思いますね。

Q 患者さんとMCの対話も、見どころのひとつですよね

溝端)サンドウィッチマンさんは、僕が初主演したドラマでずっと一緒だったんですけど、そのころから今も全然変わらない、優しいお二人のままですね。太陽のような優しい伊達さんがいて、海のように優しい富沢さんがいてっていう…本当にすてきなバランスというか。やっぱり「鎌倉で何かやんちゃしてたんじゃないですか」って杖をつく男性になかなか言えないし、言う人によっては傷つけちゃうかもしれませんけど、やっぱりにじみ出る優しさというか、愛に満ちあふれてる人だから成立するんだろうなと思いますね。

Q 最後に、ここまで読んでくださった皆さんへ改めて・・・!!

溝端)そうですね…いろんな動画を今いつでも見れる時代になってますけども、その中で新しいものを見るきっかけになればなと思いますね。個人的に思うのは、今バラエティー番組、お笑い番組、クイズ番組とか見てても、かなり字幕とか効果音が満載で、かなり磨かれてこすられて、まるまるとしたものが皆さんに届けられてる気はするんですよね。そういう意味でドキュメンタリーとかの、ありのままの、ちょっとゴツゴツしてて肌触りもよくないかもしれないものに触れることはすごく大事だと思ってて…やっぱりこれだけ情報社会でいろんな情報が入ってくるから、「答えはこれです」っていう風に決めてない作品を見に行った方がすてきなんじゃないのかなと。もしドキュメンタリーまだ興味ないっていう方は、ぜひ見て、自分で考えて、自分なりの解釈で楽しんでいただけたらと思います!

推し動画について語る溝端淳平

大河ドラマ「どうする家康」では、狂気をはらんだ役柄を鬼気迫る芝居で演じ話題の溝端淳平さん。自分を磨き続けるヒントについて、学びのタネが満載でした。 ありがとうございました!!

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大河ドラマ「どうする家康」で本多忠勝を演じる山田裕貴さんに、NHKラーニングから推し動画を6本選んでもらいました。ご本人が大好きだという「忍者」から、「哲学」、そして見果てぬ「宇宙」まで、トークが止まらない!これを見れば、山田裕貴の頭の中が丸わかり…かも!?

歌手・俳優・タレント・モデルなど、“超、多様性”な活躍をみせるあのちゃん!「キラキラ女子」「ファッショニスタ」から「哲学」「ひきこもり」まで、変幻自在な“あの視点”で、推し動画についてたっぷり語っていただきました。