ダーウィンポスト vol.11 樹上に謎の物体 その正体は?
2023年3月2日(木)
総合テレビ 毎週日曜夜7時30分~8時に放送中の「ダーウィンが来た!」では、生きものに関する疑問や質問を募集しています。その質問と専門家からの回答は、こちら「ダーウィンポスト」で皆さんに随時公開します。ぜひ投稿ください!
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今回の質問
毎日登園するときに通る公園の、すごく高い木の枝の間にフットボールの様な形をした奇妙なモノが1つあります。鳥の巣か、蜂の巣かと思い観察しても何も訪れません。この奇妙なモノは何か調べて欲しいです。
投稿者
T.Yさん (東京都)
画像
ダーウィン取材班が現地調査!
“奇妙なモノ”は一体どんな姿なのか? ディレクターが現場を訪ね、望遠レンズで撮影してきました。すると、その表面に模様が。ハチの巣ではないかと思い、ハチの専門家に見ていただきました。
答えてくれた先生
玉川大学 農学部 教授 小野正人博士
先生からの答え
ご質問ありがとうございます。写真を拝見しました。
これは「スズメバチの巣」です。種はたぶん「キイロスズメバチ」だと思います。もしかしたら「コガタスズメバチ」の可能性もありますが、巣の形や模様からみて「キイロスズメバチ」の可能性が高いと思います。
撮影日の情報から、これは昨年以前に造られた巣(巣の状態がまだ綺麗なので昨年の可能性大です)で、間違いありません。今年は使われていない廃巣です。蜂の巣はこのまま放置して安全上問題はありません。高い木の上にあり高所作業車などを使っての撤去作業自体が危険かと思います。
ただ、昨年の秋にこの巣から多数の新女王が羽化して巣立ち、どこかで越冬し、春から近くで巣造りをする可能性があります。巣が小さいうちは気づかないかもしれませんが、注意する必要はあるでしょう。特にキイロスズメバチの場合には、越冬後の女王バチは春先は狭い空洞内に巣をつくり、巣が大きく成長して手狭になると広い開放空間に引っ越しをする習性があります。引っ越しの季節は7月下旬から8月初旬が多いので、その頃も注意が必要です。