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庭木櫻子アナのまなびノート ~1月~

2023年1月12日(木)

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「新・にっぽんの芸能」を担当する庭木櫻子アナウンサーが
番組を通じての「まなび」を発信します

「新・にっぽんの芸能」番組HPはこちら 
放送:Eテレ毎週金曜 午後9時25分~ 
再放送:Eテレ毎週木曜 午後2時15分~、Eテレ毎週金曜 午前5時30分~


みなさま、あけましておめでとうございます。
古典芸能の世界には、お正月にちなんだ縁起の良いものがたくさんあります。
年末年始は、「新・にっぽんの芸能 新春スペシャル」の収録をしたり、歌舞伎座から生中継で初芝居初日の舞台の様子を伝えたりと、たくさんめでたいものにふれましたよ!
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そうした中で私が気になったのは、お正月になると至る所で聞こえてくる箏の音色です。
多くのみなさんがイメージするのが、「春の海」という曲だと思います。
「新・にっぽんの芸能 新春スペシャル」でも、遠藤千晶さんの箏、
藤原道山さんの尺八でお送りしました。
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誰もが一度は耳にしたことのある、おなじみのメロディ。
でも、なぜこの曲がお正月の定番になったのか?
今回その“謎解き”も行いました!
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「春の海」を作曲したのは、あの有名な宮城道雄(みやぎ・みちお)。
私も学校の音楽の授業で習った思い出があります。
では、その宮城が「春の海」を作曲するのに題材としたものは何だかわかりますか?

実は、この曲は、宮中の年中行事である歌会始の勅題にちなんで作られたそうなんです。
今でも、新年になると皇居で歌会始が行われるというニュースを見たりしますよね?
歌会始では毎年お題が出されます。ことし、2023年は「友」です。

時をさかのぼって93年前、1930年のお題は「海辺巖(かいへんのいわお)」。
海にちなんだお題が出されました。以前は、お題も長いものが多かったんですね。
これに着想を得て、宮城道雄が1929年の年末に作曲したのが「春の海」なんだそうです。
「春の海」は1930年1月2日、広島からのラジオ放送で
初めてオンエアされた記録が残っています。

お正月にふさわしい「春の海」。
いつ聴いてもしっくりくる理由は、歌会始にちなんだ作品だったからなんですね…
私の2023年最初の「まなび」でした。

「まなびノート」、今年もどうぞよろしくお願いします!

 


新・にっぽんの芸能
「箏で楽しむ にっぽんのお正月」1月12日(木)午後2:15 ~,13日(金)午前5:30 ~で放送

番組HPはこちら