ページの本文へ

庭木櫻子アナのまなびノート ~6月~

2022年6月24日(金)

記事サムネイル画像

「新・にっぽんの芸能」を担当する庭木櫻子アナウンサーが
番組を通じての「まなび」を発信します

「新・にっぽんの芸能」番組HPはこちら 
放送:Eテレ毎週金曜 午後9時25分~ 
再放送:Eテレ毎週木曜 午後2時15分~、Eテレ毎週金曜 午前5時30分~


私が古典芸能の番組を担当する前、ひとつの疑問がありました。
番組に出てくる舞台の映像は、どうやって撮影しているの…?
今回は、私が古典芸能の演目収録の現場をリポートします!

演目を収録する方法は大きく分けて2つあります。
1つ目は、スタジオで収録する方法です。
5月下旬のある日。
東京・渋谷のNHK放送センターでいちばん大きなスタジオに、舞台が組み上がりました。
バラエティや音楽番組など、いつもはまったく違う番組のセットがあるスタジオに
歌舞伎の舞台がそびえたっているのを見て、私は本っ当にびっくりしました!!

0624001.jpg

今回は、正面に大きな松を描いた松羽目(まつばめ)という、
格式ある演目のときの舞台。凛としたたたずまいに、静かな高揚感を覚えます。
このあと収録を間近で見て、歌舞伎俳優の芸に向き合うエネルギーや
演奏の息遣いまでを肌で感じ、感動で胸がいっぱいになりました。


演目収録の2つ目の方法は、NHKが劇場におじゃまして収録する方法です。
主に、実際にお客さんが入っている公演にカメラが入らせていただきます。
局内スタジオのように放送の機材や設備があるわけではないので、小さな放送局が出動。

0624002.jpg

映像中継車です。中継車といえば災害報道やスポーツ中継で使われるイメージでしたが、
古典芸能でも活躍していたとは!
この車が来ているということは、局外での撮影方法の中でも大規模な収録です。
何台ものカメラを駆使して、車の中で映像の色や明るさも調節できます。

こうして、多くのスタッフが力を合わせて撮影していた、古典芸能の演目。
私は、歌手やアーティストの「ライブ映像」と似ていると感じています。
会場に観に行くと、舞台を少し遠くから、1枚の絵のように絵画的に見ることが多いです。
一方でテレビのいいところは、細部、つまりディテールまでよ~く見えること。
舞台の上での表情、額にうっすら浮かぶ汗、衣装の模様、手に持つ扇には俳優の家や
演目にちなんだ文様が入っていることまで、好きな人にはたまらないこだわりも発見できます。
現場での臨場感と、細かな映像描写。
両方の良さを感じながら、そこに込められた心をまなんでいきたいです。

さて、そんな「新・にっぽんの芸能」には、「蔵出し!名舞台」というシリーズがあります。
NHKが過去に放送した映像からディレクターがえりすぐりの舞台映像を探し出し、
スタジオでトークをしながら振り返っています。

0624003.jpg

月1回程度のペースの放送で、本当にお宝のような舞台映像がたくさん出てきます。
この舞台はどうやって撮影しているのか…!?
みなさんも想像しながらご覧いただくと、また違った楽しみ方ができるかもしれません。

「まなびノート」、次回もどうぞお楽しみに!

 


新・にっぽんの芸能「蔵出し!名舞台 高橋英樹が語る二世尾上松緑」は
6月24日(金)夜9:25~ほかで放送されます!
番組HPはこちら