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これまでの放送 2019年1月4日(金)の放送

ヘンデルのハレルヤ・コーラス
言わずと知れた名曲「ハレルヤ・コーラス」。この曲を作曲したヘンデルは、芸術家というよりはやり手なビジネスマンでエンターテイナーでした。そんなヘンデルが描いた究極のエンターテインメントの世界に迫ります!
ヘンデルのハレルヤ・コーラス
言わずと知れた名曲「ハレルヤ・コーラス」。この曲を作曲したヘンデルは、芸術家というよりはやり手なビジネスマンでエンターテイナーでした。そんなヘンデルが描いた究極のエンターテインメントの世界に迫ります!

音楽で億万長者!ヘンデルのビジネス・スキル

当時、宮廷や教会に所属する音楽家がほとんどの中、ヘンデルは天才的なビジネス・スキルを用いて全く別の方法で稼ぎ、億万長者になりました。ヘンデルが持っていたのは、抜群の行動力、嗅覚、そして柔軟な社交性。ドイツで生まれたヘンデルでしたが、オペラの作曲家になるべくイタリアで学び、さらにビジネスのためにイギリスにわたりました。こうして文化はまだ発展途上のイギリスでオペラ作曲家として雇われたヘンデルは、デビューから大成功を収めました。売れると見極めれば政治や思想など関係なくなんでも手掛けたヘンデル。ロンドンで37本の新作オペラを書きあげ、30年にわたってオペラ界に君臨し続けました。

骨の髄までエンターテイナー

ロンドンでのオペラ・ブームが去ったころ、ヘンデルは新たなジャンルに目を付けます。それは、オラトリオ。オペラのような演技や舞台装置はなく、音楽だけで物語を語るいわば『音楽劇』です。「ハレルヤ・コーラス」もオラトリオ「メサイア」の中の1曲。「メサイア」は、イギリス人なら子供から大人まで誰もが知っている物語、「イエス・キリストの生涯」を題材としています。ヘンデルはこの物語を美しい音楽が次々に現れる一大エンターテインメント作品に仕上げたのです。
歌詞は英語でわかりやすく、老若男女誰しもが楽しめる題材、オペラより格段に安い入場料によってオラトリオは娯楽として大成功を収め、今日までも愛され続けています。

キャッチーな「ハレルヤ・コーラス」

宮川彬良さんは「ハレルヤ・コーラス」といえばキャッチーという言葉にたどり着くといいます。音型のシンプルさ、ユニークなリズム、そして歌詞の反復。こうした「キャッチーな音楽」には欠かせない要素がそろって、「ハレルヤ・コーラス」は人々の耳に残る音楽となったのです。
この作品によって宗教音楽とエンターテインメントの世界が少し近づくような気がする、と宮川さんは言います。

ゲスト

ヘンデルの音楽は自分のお父さん(宮川泰)を思い出す。一言でいうと超キャッチー

ヘンデルの音楽は自分のお父さん(宮川泰)を思い出す。一言でいうと超キャッチー

宮川彬良(作曲家) 宮川彬良(作曲家)

宮川彬良(作曲家)

profile

最近では、連続テレビ小説「ひよっこ」の音楽を担当。テレビや舞台の音楽も数多く手がける。
音楽をわかりやすく伝える演奏会を各地で開催している

楽曲情報

オラトリオ「メサイア」より「ハレルヤ・コーラス」
ヘンデル
マーティン・ニアリー(指揮)
ウェストミンスター・アベイ聖歌隊(演奏)

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