これまでの放送 2016年9月24日(土)の放送

ピアノお稽古の定番曲 ブルクミュラーの「25の練習曲」
“ブルクミュラー”は、本のタイトルだと思われているほど
作曲家自身については、ほとんど知られていません。
「25の練習曲」が生まれた背景、そして彼の意外な一面とは?
ベールを脱ぐ 練習曲の神~ブルクミュラーの「25の練習曲」~
ピアノお稽古の定番曲 ブルクミュラーの「25の練習曲」
“ブルクミュラー”は、本のタイトルだと思われているほど作曲家自身については、ほとんど知られていません。「25の練習曲」が生まれた背景、そして彼の意外な一面とは?


売れっ子が生んだ超ロングセラー

1806年、南ドイツ・レーゲンスブルク生まれ。両親から音楽を学び、26才でパリへと渡ります。当時はリストやショパンが大人気のピアノ文化が花盛りの時代。そして一般家庭にもピアノが普及するようになっていました。そこで人々が求めたのが、初心者でも楽しめるやさしいピアノ曲集と、それを教えてくれる指導者でした。ブルクミュラーはそんな当時の音楽事情に後押しされ、ピアノ教師という職を得たのです。真面目で熱心な仕事ぶりから、次第に人気教師となり、ついにはフランス国王の子どもにもピアノを教えるまでに。そして初心者へのレッスンを重ねる内に、上達するための方法を考えるようになります。そして45才で出版したのが「25の練習曲」。たとえ初心者でも、おしゃれな曲を弾くことができると人気になり、長く愛される作品となったのです。
曲に潜むはバレエの影

都内のレッスンスタジオを覗いてみると、行われているのは、ブルクミュラーの練習曲を使ったバレエのレッスン。メロディーが覚えやすいため、お稽古場では重宝しているそう。さらに、レッスンでポイントとなる8カウントが、不思議とぴったり合うようにできているものが多いと言います。そこにはブルクミュラーのある経歴が関係していました。実はブルクミュラーはパリ・オペラ座でバレエの伴奏ピアニストを務めていたのだとか。やがてバレエ作品の作曲も手掛けるようになり、ヒット作にも恵まれます。当時はピアノ以上にバレエ作曲家として有名だったんです。そんな彼の知られざる才能を今に伝えているのが、バレエ作品「ジゼル」。この作品の一部に、ブルクミュラーの曲が使われているのです。バレエ作曲家として活躍した後に生まれた「25の練習曲」。ピアノ練習曲にバレエの要素が感じられる理由には、彼の隠れた一面が反映されているのかもしれません。
たかが練習曲 されど練習曲

初心者向けの教則本の中でも、ブルクミュラーの練習曲は、音の強弱や速度を示す演奏記号がとりわけ多く使われています。譜面に指示された記号をしっかり表現すれば、初心者でもリストやショパンになった気分を味わえる。
そんなブルクミュラーの醍醐味を、美濃さんがスタジオで直接レッスンします。
ゲスト


平山あや(女優)
profile
4歳からピアノを始める 小学生の頃
ブルクミュラーの「25の練習曲」を弾いた
楽曲情報
- 25の練習曲から「アラベスク」
18の練習曲から「風の精たち」
12の練習曲から「夕べの時」 - ブルクミュラー
- 佐藤卓史(ピアノ)
profile
佐藤卓史(ピアノ)
プロフィール 第70回日本音楽コンクール第1位
国内外のオーケストラとも多数共演
楽曲情報
- 25の練習曲から「アラベスク」
18の練習曲から「風の精たち」
12の練習曲から「夕べの時」 - ブルクミュラー
- 佐藤卓史(ピアノ)
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佐藤卓史(ピアノ)
プロフィール 第70回日本音楽コンクール第1位
国内外のオーケストラとも多数共演
懐かしい!弾けると自分がうまくなったと思わせてくれる曲調が多い