これまでの放送 2016年7月23日(土)の放送

神奈川県秦野市で行われた公開収録の模様をお伝えする、
2回シリーズの2回目。
番組MCとゲストが、オーケストラの生演奏を間近で体感。
オーケストラ音楽の華・交響曲の歴史をつくった
2人の作曲家にスポットを当て、魅力に迫った。
大好き!オーケストラ(2)
~シンフォニー誕生物語~
神奈川県秦野市で行われた公開収録の模様をお伝えする、2回シリーズの2回目。
番組MCとゲストが、オーケストラの生演奏を間近で体感。オーケストラ音楽の華・交響曲の歴史をつくった2人の作曲家にスポットを当て、魅力に迫った。


開演ベルの代わりだった「シンフォニア」
開演ベルの代わりだった「シンフォニア」


番組冒頭、指揮者とオーケストラに挟まれた「特等席」で演奏を楽しんだゲストの二人。交響曲(シンフォニー)の迫力満点の響きに大感激です。そんな、オーケストラ音楽の真骨頂ともいえる「シンフォニー」の語源はギリシャ語。「シン(一緒に)」「フォニア(音)」が合わさって出来た言葉です。
現在のシンフォニー(交響曲)は、およそ300年前、オペラの開演前に、ざわつくお客さんたちを舞台に注目させるために演奏された短い曲が始まり。つまり、開演ベルの代わりだったのです。
やがて、だんだんと長く複雑なものが書かれるようになり、独立した音楽となりました。
仲間のために作曲した「交響曲の父」
仲間のために作曲した「交響曲の父」


交響曲の歴史を語る上で忘れてはいけない人物が、「交響曲の父」と呼ばれるハイドンです。ある大貴族の専属作曲家をつとめ、生涯に100曲以上もの交響曲を作曲しました。
ハイドンが率いたオーケストラを再現してみると、人数はわずか17名。聴き手も貴族とその家族や友人だけだったので、「顔の見える関係」の中で演奏されていたことが分かります。そしてハイドンは、楽団員からも主人の侯爵からもたいへん信頼されていました。それを伝えるエピソードがあります。
ハイドンの主人は、毎夏別荘へ避暑に行くのが恒例でした。料理人や楽団員も付いていきますが、経費削減のため、家族を家に残しての単身赴任。ある夏、侯爵が突然、避暑を2ヶ月延長すると言いだします。早く家族のもとへ帰りたい楽団員たちはガッカリ。様子を見かねたハイドンは、楽団員たちの願いを伝えるため、新しい交響曲を作曲し、侯爵の前で演奏することを思いつきます。
こうして誕生したのが、交響曲第45番「告別」です。曲の終盤、演奏者たちは一人ずつ順番に演奏を終え、立ちあがって舞台から退場します。主人はこれを見ただけで、楽団員たちが抱える不満を察しました。翌日さっそく、楽団員全員に休暇が言い渡されたと伝えられています。
初めて一般聴衆に受けた交響曲
初めて一般聴衆に受けた交響曲


王様や貴族の宮殿で演奏されていた交響曲ですが、19世紀になるとかの有名なベートーベンによって新たな歴史が始まります。
史上初のフリー・ミュージシャンとして活動したベートーベンは、一般の聴衆に向けたコンサートを盛んに開きました。そこで自ら指揮・演奏するために書いたのが、有名な9つの交響曲です。しかし、1番から6番までの交響曲の初演は不評だったといわれています(あの「英雄」も「運命」も「田園」も!)。
7曲目にしてようやく大成功をおさめたのが、交響曲第7番です。ウィーン中の有名音楽家を集めて特設オーケストラを結成し、前宣伝もたっぷりやって、準備万端で披露したこの曲は大好評。1回だけのコンサートの予定が、もう3回も追加公演されたと伝えられています。
歴史上初めて「一般の聴衆からウケた交響曲」というべき第7番。「運命」「田園」といったニックネームがついていないため、今一つ知名度が上がりませんでしたが、テレビドラマ「のだめカンタービレ」で何度も登場したお陰で、今ではその実力にふさわしい人気を取り戻しました。
ゲスト

三倉 茉奈(女優)
profile
中学・高校と吹奏楽部で
トランペットを演奏
クリス松村(タレント)
profile
オランダ生まれの国際派
大の音楽好きとしても知られる

三倉 茉奈(女優)
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中学・高校と吹奏楽部で
トランペットを演奏
クリス松村(タレント)
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オランダ生まれの国際派
大の音楽好きとしても知られる
楽曲情報
- 交響曲第5番 第4楽章 から
- チャイコフスキー
- 交響曲第45番「告別」 第4楽章 から
- ハイドン
- 交響曲第7番 第1楽章
- ベートーベン
-
東京フィルハーモニー交響楽団(管弦楽)
川瀬賢太郎(指揮)
楽曲情報
- 交響曲第5番 第4楽章 から
- チャイコフスキー
- 交響曲第45番「告別」 第4楽章 から
- ハイドン
- 交響曲第7番 第1楽章
- ベートーベン
-
東京フィルハーモニー交響楽団
(管弦楽)
川瀬賢太郎(指揮)
あそこ(特等席)以外じゃ聴けなくなっちゃったかもしれない(三倉 茉奈)/歴史も分かり、生の演奏も聴けて、最高でした(クリス松村)