これまでの放送 2015年11月28日(土)の放送
教会やコンサートホールで荘厳な音を奏でるパイプオルガン。
音が鳴るしくみから、パイプが何千本もある理由まで、徹底解剖。 楽器特集 パイプオルガン
~荘厳な響きと二千年の歴史~
教会やコンサートホールで荘厳な音を奏でるパイプオルガン。
音が鳴るしくみから、パイプが何千本もある理由まで、徹底解剖。


風が鳴らす鍵盤楽器

パイプオルガンは鍵盤楽器だが、ピアノやチェンバロとは音が鳴る仕組みが全く違う。むしろ、たて笛やアコーディオンに似ている。つまり風が鳴らす楽器なのだ。現在のパイプオルガンは送風機でおこした風をパイプに届け、鍵盤を押すことでパイプに風が通り、音が鳴るという仕組みになっている。音程はパイプが長い程低く、短いほど高い。鍵盤は何段かに分かれており、足鍵盤もある。足鍵盤は低い音を鳴らす際に使用する。
オルガン二千年の歴史

オルガンの紀元は、紀元前3世紀まで遡り、アレキサンドリアのクテシビオスという人物が開発したヒュドラウリス(水オルガン)が最初ではないかと考えられている。その後、水オルガンはローマ帝国にも伝わり、円形闘技場でも鳴り響いていたようだ。
9世紀頃から教会で儀式に使われるようになり、ルネサンスの時代から飛躍的に発展していく。
お国柄もあり、16世紀のイタリアでは比較的柔らかい人間の声のような音色が好まれた。
17世紀~18世紀のドイツでは、しっかりした低音と荘厳な響きのオルガンが多く作られ、巨大化も進んだ。また、19世紀のフランスでは、オルガン1台で交響曲が演奏できるような、多彩で華やかな音が鳴るオルガンが作られた。
音色を決めるキーマン

オルガンの演奏台の両脇にはドアノブのようなものがたくさん並んでいる。これをストップという。
ストップは、特定の音色のパイプにだけ風を送るスイッチのような役目を果たす。
例えば、フルートの音で演奏したい時は、フルートのストップをひっぱり、その音色のパイプにだけ風が送り届けられるようにするのだ。大きなパイプオルガンだとこのストップが100種類もあるものも存在する。また、いくつかストップを同時にひっぱり、ミックスした音色を出すこともできる。ストップの組合せ次第で音色は無限大、演奏者は、ストップを組み合わせて、自分の出したい音を作って演奏することも可能な楽器なのだ。
ゲスト


渡辺 徹(俳優)
profile
俳優として活躍する傍ら
コンサートの司会など幅広く活躍
楽曲情報
- かっこうのスケルツォによるトッカータ
- トッカータとフーガ BWV565
- オルガン交響曲 第1番からフィナーレ
- ①パスクィーニ
②バッハ
③ヴィエルヌ
音がいっぱい重なるせいなのか、一つのドラマをみているような気持ちになった