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これまでの放送 2015年8月22日(土)の放送

恋のまぼろし フランスを代表する作曲家ベルリオーズの出世作。
1830年に発表されたこの曲は、交響曲で初めて「物語」を表現した革命的な作品だったのです。
恋のまぼろし
フランスを代表する作曲家ベルリオーズの出世作。
1830年に発表されたこの曲は、交響曲で初めて「物語」を表現した革命的な作品だったのです。

幻想の正体

幻想交響曲は全部で5楽章。それぞれの楽章に物語性のあるタイトルがついています。ベルリオーズは聴き手に内容を理解してもらうために、各楽章のあらすじを書いたプログラムを発表しました。その物語は、失恋した男が絶望してアヘンを飲み、恐ろしい幻覚を見るという衝撃的な内容。第1楽章では恋の始まりを描き、第2楽章は舞踏会での再会。第3楽章は夕暮れの野で恋の不安をつのらせる男。そしてアヘンによって幻覚に包まれた第4楽章では、男は愛する彼女を殺した罪で死刑となります。第5楽章は、死んだ男を弔う魔女たちのグロテスクな宴。彼女もまた下品に変わり果てた姿で現れ、狂喜乱舞のなか曲は終るのです。

大失恋 de 交響曲

幻想交響曲が作られたのは、ベルリオーズの大失恋がきっかけでした。1827年、パリにやってきたイギリスのシェイクスピア劇団を見たベルリオーズは、主演女優ハリエット・スミスソンに一目惚れ。思いをつのらせるあまりストーカーまがいの行動を繰り返しますが、相手にされず一度も話すこともなく失恋してしまいます。その後立ち直ったベルリオーズは、あの恋を作品にしようと作曲をはじめます。その時の彼に大きな影響を与えたのは、ベートーベンの交響曲でした。交響曲第6番「田園」を模範とし、「田園」の自然描写を発展させて、交響曲で物語の描写を行ったのです。こうして誕生した「物語をもった交響曲」は大成功。そして初演から2年後、なんとハリエットがこの曲を聴くことに。その題材が自分への恋心だと知った彼女はついにベルリオーズを受け入れ、2人は結婚したのです!

変幻自在!彼女のテーマ

交響曲で物語を表現するために、ベルリオーズは「固定楽想」という手法を編み出します。それは、主人公の恋人である「彼女」をひとつのメロディーで表すというもの。このメロディーがすべての楽章に登場し、いろいろな変化をみせるのです。そんな彼女のテーマを要所にちりばめながら緻密に作り上げることで、ベルリオーズは物語を描写したのです。

ゲスト

同じメロディーなのにこんなに違う!ビフォーアフターがすごい!

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つるの剛士(タレント) つるの剛士(タレント)

つるの剛士(タレント)

profile
中学時代に吹奏楽部で活躍
特技はイラストを書くこと

楽曲情報

幻想交響曲 
第4楽章「断頭台への行進」
ベルリオーズ
川瀬賢太郎(指揮)
東京フィルハーモニー交響楽団(管弦楽)

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