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これまでの放送 2014年10月18日(土)の放送

たかが練習曲 されど練習曲 今回の名曲は、ショパンの「練習曲」。
ピアノのテクニックを磨くための練習曲。だけどショパンの練習曲は特別。コンサートで演奏される人気曲です。なぜ、ショパンはこのような曲を作ったのでしょうか?ショパンのピアノへの熱い思いに迫ります。
たかが練習曲 されど練習曲
今回の名曲は、ショパンの「練習曲」。
ピアノのテクニックを磨くための練習曲。だけどショパンの練習曲は特別。コンサートで演奏される人気曲です。
なぜ、ショパンはこのような曲を作ったのでしょうか?ショパンのピアノへの熱い思いに迫ります。

革命をおこした練習曲

ピアノの練習曲は、19世紀に入った頃から作られ始めました。ピアノの普及と共に、多くの人がピアノを弾くようになり、「誰でもピアノが上達する練習方法」が必要だったのです。当時、一般的だったのは、指を訓練する事に重点を置いた、機械的な反復練習でした。しかし、作曲家、そしてピアニストとして活躍していたショパンは、そんな練習には反対でした。「テクニックの習得とは、もっと芸術的なものである」と考えていたのです。そのため、ショパンの練習曲は他の練習曲とは随分違います。例えばアルペジオの練習の場合、細かな音の連なりの中でメロディーを美しく響かせて、演奏することを求められます。高度な技術と豊かな音楽性が必要とされる独創的な芸術作品、それがショパンの練習曲なのです。

弱点はマイナスに
あらず

ポーランドの首都ワルシャワ近郊の小さな村で生まれたショパンは、4歳の頃、3つ年上の姉からピアノを習い始めます。しかし、その腕前は、すぐに姉を追い越してしまいました。その後、ピアノについては独学だったため、弾き方は他の人とは違う独特なものでした。実はショパンは、ピアニストとして、「手が小さい」「病弱な体質」という弱点を抱えていたため、賞賛の声が多くある一方、「その演奏方法は、他とあまりに違う」「音が小さい」といった批判もあったのです。しかし、ショパンは、「ピアノの演奏に必要なのは、手の大きさ、指の強さではない。大切なのはニュアンスをつけた美しい響きである。」と考え、画期的なテクニックを開発したのです。それは手首の柔軟性と指の強さの違いを生かす演奏方法でした。弱点が新たなテクニックを生み、ショパンは独自の音世界を切り開いていったのです。

ショパン・テクニック
ここにあり!

練習曲にあるテクニックを「革命」と「別れの曲」で解説。「革命」=左手の練習。およそ3分間、指は激しく動きっぱなし。アルペジオで様々な幅の音域を移動したり、すぐ横の鍵盤を順番に演奏するなど、指を広げたり縮めたり、柔軟性が必要。「別れの曲」=右手の練習。メロディーを美しくなめらかに演奏する練習。そのメロディーは、ほぼ、中指、薬指、小指で演奏されています。指の個性(力の強さ)によって変わる音色を大切にしたショパンは、このメロディーを奏でるには、中指、薬指、小指による音色が必要だと考えたのです。

ゲスト

ショパンもすごいけど、ピアノってすごいなって思いました

ショパンもすごいけど、ピアノってすごいなって思いました

つるの剛士(タレント) つるの剛士(タレント)

つるの剛士(タレント)

profile

歌から将棋までマルチに活躍。
ギターなど楽器も演奏。

楽曲情報

練習曲 「別れの曲」「革命」
ショパン
仲道郁代(ピアノ)

profile

仲道郁代
(ピアノ)

ショパンの生涯をたどり 当時のピアノで演奏するなど 多角的なアプローチでショパンに取り組む 演奏活動を始めた当初からショパンの作品を重要なレパートリーのひとつとしている。

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