これまでの放送 2014年3月1日(土)の放送
音楽の父バッハの発想力が生み出したチェロの金字塔
1台のチェロが紡ぐ音楽の魅力にせまる すべてのチェリストに花束を
音楽の父バッハの発想力が生み出したチェロの金字塔
1台のチェロが紡ぐ音楽の魅力にせまる


お宝大発見!
チェリストたちにとって金字塔のような存在のこの曲。実は近年まで忘れられていたのです。この曲を現代によみがえらせたのはスペインのある少年でした。チェリストをめざすその少年は、古本屋である楽譜と出会います。無伴奏チェロ組曲。作曲者はバッハ。当時その存在すら知られていない曲でした。少年は夢中になって練習し、やがてプロとなってコンサートでこの曲を披露します。彼の名はパブロ・カザルス。のちに20世紀を代表するチェロの巨匠となった彼によって、この曲は世界中で演奏され、広まっていったのです。
音楽の父の発想力
今ではソロ楽器としても人気の高いチェロ。しかしバッハの時代、チェロはそれほど注目されない楽器でした。そんなチェロに光を当てたのがバッハでした。花形のバイオリンを低音で支える裏方だったチェロ。それを取り出して独奏させるというアイデアをひらめいたバッハ。チェロの音色をいかしたメロディーだけでなく、さらに1台で何台ものチェロが演奏しているかのような広がりを生み出しました。
チェロのワンマンショー!
この曲では、チェリストは1人で何役もの役割をこなしています。冒頭部分を例にとって3つのパートに分けてみると、低音・中音・高音はそれぞれ父・母・子どもの3人家族のよう。それぞれが別の弦を弾くため音の響きが邪魔されないという効果もあります。このように役割分担をしているような旋律の工夫によって、重層的な響きが生まれるのです。
ゲスト
宮川花子
(漫才師)


楽曲情報
- 無伴奏チェロ組曲第1番から
前奏曲(プレリュード) - バッハ
- 堤剛(チェロ)

