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【京都・上京区】~アートと交流で再生する商店街~

「京のええとこ連れてって」4/12(金)放送
  • 2024年04月12日

今回訪ねたのは、京都市上京区。堀川通沿いにある商店街を訪ねました。 
そこがいま、“アートと交流”をテーマに再生しようとしていました。

堀川商店街の現状…

京都市上京区、堀川通沿いにある堀川商店街。

堀川商店街

戦後すぐに建てられ、日本で初めて、1階が店舗、2階と3階が団地という、珍しい設計で建てられました。400mに渡っておよそ30店舗が並んでいます。
日用品を扱うお店や飲食店があり、 お店の人との会話も楽しめる、昔ながらの商店街です。 

商店街の理事長、乾雅智さんにお話を聞きました。

乾雅智さん

現在はやっぱりショッピングセンターとかホームセンター、 コンビニ、そういったところに押され気味になってなかなか商店街としてもお客さんが少なくなってきているのが現状です。

時代の流れや建物の老朽化もあり、一時は3分の1の店舗が退去しました。 
お客さんの数も減っていたそうです。

「アートと交流」で商店街を再生!!

しかし建物の改修を経て、いま、「アートと交流」をテーマに再生しようとしています。 
西陣織を始め、昔からものづくりが根付く、このエリア。 
いま、商店街の上の団地に住んでいる人の4割、24組はアーティストなんです。 
面接を行い、取り組みに協力してくれる人に入居してもらいました。 

 あるお宅を訪ねました。フランス人のエルベガルシアさんです。

麻の布地に水彩絵の具で色付けされた抽象画

ここでは、「アーティストが短期間滞在して作品を作る」という取り組みを行っています。 
麻の布地に水彩絵の具で色付けされた抽象画。エルベガルシアさんは“水”を題材に、琵琶湖疏水や、お寺の枯山水などからインスピレーションを受け、作品を作っています。 

エルベガルシアさん

京都にはたくさん水があるので、この取り組みはいい企画だと思いました。
近所の方はとてもフレンドリーで水路の ある遊歩道もある。
すてきなバーもあって、楽しんでいます。

そして、もう一つのテーマ“交流”を楽しめる私設図書館があります。 
特徴的なのが、この本棚。

本棚
國定若菜さん

1箱ずつ、本の持ち主、本棚オーナーって言ってるんです。 
本棚オーナーがおすすめしたい本を置いていただいて います。

絵本を集めた本があったり、こちらには体に関する本があったり。 
「健康や体のことを見直したり考えたりするきっかけになりそうな一冊をどうぞ」 
というメッセージが添えてある本もあります。

菅江リポーター

この辺はオーナーさんの色というか、大事にしているものが 
表れていますよね。

対面するだけではない、様々な交流の形が生みだされていました。

新しい取り組みにも波及…!

この流れを後押しする施設も新たに作られています。商店街のそばにある書店です。

書店

ずらりと並んでいるのは紙の見本です。

紙の見本

ここでは、出版社を通してではなく、個人で本を作ることができます。 
また、2階にはギャラリーもあります。

ギャラリー

本を見に来たついでに、気軽にアートに触れてほしいと作られました。 
様々な楽しみ方ができ、この地域に幅広い層を呼び込むきっかけを作っています。

大垣守可さん

こういう場所があると、いろんな方が活躍できるようになりますので。 
文化っていうのは日々の積み重ねが結果的に文化になると思っていますので、長い目標を持って、ここの活動は続けています。

乾雅智さん

いろんなアイディアや協力をいただきながら、 
活気あふれる商店街にしていきたいです。

フランス人のエルベガルシアさん、表現方法としてふすまや掛け軸といった日本の表具の技術も学びたいと話していました。2か月間滞在されますが、最後には作品発表を行う予定です。

菅江リポーター

私設図書館では、対面しなくても本を通して交流することができるのだと感心しました。借り手の中には、本棚オーナーに会ってみたいという声もあって、この先、実際に交流する機会も作っていきたいということでした。

  • 菅江隆一

    京都局 リポーター

    菅江隆一

    京都生まれ京都育ち

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