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【京のええとこ】京都市上京区 西陣は家紋の宝庫
京のええとこ連れてって
大森華子(リポーター)
2023年02月03日 (金)
2023年2月3日(金)放送
※京いちにちの見逃し配信はこちらから(放送後1週間配信)
放送の内容をテキストで紹介しています。お出かけの参考にぜひご覧ください!
ええとこを探して歩いていると、熱心に写真を撮っている方に出会いました。
この地域で生まれ育ち、およそ20年前から家紋を研究している森本勇矢さん。
瓦屋さんにディスプレイされた、さまざまな家紋が入った瓦を取材されていました。
豊臣秀吉が使っていた桐紋や、昔の釘抜きの道具を表した釘抜紋など、家紋にはさまざまな意味が込められています。
もっと深く、家紋について知るため、森本さんのご自宅に伺いました。
森本さんの仕事は着物の染色補正。
染色の工程でできた汚れやシミ、変色を修復する仕事です。
森本さんは着物にあしらわれる家紋を見るうちに、その種類やデザインのとりこに。
歴史や意味なども調べるようになり、HPなどで発信し、いまでは家紋の専門書を執筆しています。
家のシンボルマークである家紋。
一般庶民まで家紋を持っている文化は日本だけとのことです。
家紋の始まりは平安時代。
宮中に出入りする牛車が誰のものかを識別するためのしるしとして始まりました。
その後、戦国時代には、敵味方を区別するために、武将が家紋をつけるようになります。
さらに江戸時代には、家紋が庶民にまで広がります。
こちらは紋帖。いわば、家紋のカタログです。
江戸時代の紋帖も持っている森本さん。
家紋は、およそ5万種類あると教えてくれました。
実家の家紋はとても珍しいもので、陰と陽をあらわし、陰陽道に関係する家紋とのことでした。
森本さんいわく、先祖が、方角や星の動きから物事を占う仕事をしていた可能性があると、興奮しながら話してくれました。
家紋に対して、京都の町の人々の思いが強く込められている場所があるということで伺いました。
森本さんが案内してくれたのは、1321年に創建された、日蓮宗の大本山妙顕寺。
本堂に向かうと、天井一面にたくさんの家紋がデザインされた、大迫力の天井画がありました。
大本堂を修復した際に、寄進した人々の家紋が奉納されているそうです。
森本さんは、「ここに来たら、家紋を通じて自分の家に向き合える。
そして自分の先祖の思いにも触れることができる。それも家紋のひとつの魅力」
と熱く話してくれました。
歴史や先祖の思いまで見えてくる、家紋の魅力に気づいた旅でした。