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熊本地震その先へ
~未来を造る女性の力~

vol.7

 甲斐 由香
Yuka Kai
-NGO「マザー&アースくまもと」代表 -

母親たちの弱音、はき出せる場所を

「母親たちはずっと1人ぼっちだった。
夫に助けを求められず、1人で子育ての悩みを抱え込んでいる」

産前・産後のケアを行う助産師、甲斐由香。
熊本地震を受けて、ストレスを抱える母親たちを支えようと
NGO「マザー&アースくまもと」を立ち上げた。

熊本地震その先へ~未来を造る女性の力~

母親たちが直面した苦悩

「小さい子どもがいる母親たちは大変なことになっているのでは?」
地震直後、SNSを通じて募った支援。問い合わせは日に100件を超えた。

余震が止まないなか、避難所をまわり、
おむつやミルク、離乳食などの配給を続けたほか、
性被害に注意を呼びかけるポスターを掲示するなど、活動を続けた。

同時に、避難生活を送る母親たちが直面していた苦悩と向き合った。

熊本地震その先へ~未来を造る女性の力~

「夫が地震関係の仕事で家を空けることが多くなっても、助けを求められない。
避難所で、1人で涙を流していた母親たちが多かった。
なかには、離婚する夫婦もいた」


アンケートに残された声

発生からおよそ4か月間で、
100人あまりからとったアンケートには、当時の声が残っている。

「授乳室が避難所になく、男性が隣にいて、悩んだ」

「ミルク、ほ乳瓶、水がなくて困った。情報がなくてどうしようもなかった」

「狭い軽乗用車で長時間過ごし、子どもに授乳したり、
寝かしつけたりしたことで、体中が痛くなり、手が腱鞘炎になった」

「子どもの発育のこと、母乳育児のこと、産後の回復などについて、
相談できるところや、ケアをお願いできるところがなかった」

子どもの衛生面を心配する声だけでなく、
母親自身が不眠に悩むなど、体調に不安を抱える声も、聞こえてきた。

熊本地震その先へ~未来を造る女性の力~

悩み事を抱え、それを誰にも打ち明けることができず、ストレスを抱え込む母親たち。
夜中に甲斐の家のチャイムをならし、助けを求める母親もいた。


弱音、はき出せる場所を

平成31年4月までに、およそ100回以上にわたり、
子育て中の母親たちが必要な、災害時の知識を学ぶ講座やサロンを開き、
2300人以上が弱音や悩みを打ち明けられる場を設けた。

次の災害は、いつ起こるか分からない。

現在、沖縄に移り住み、
助産師として地震を経験していない母親と向き合う甲斐。
事前の物資の備え、仲間と気軽に集まれる場所の重要性を伝えている。


熊本地震その先へ~未来を造る女性の力~

「安全、生活のニーズが満たされたら、必要になってくるのは、心のケア。
地震がトラウマになり、気持ちがついていかない母親たちに、
その時々に応じて、したいことが出来る場を設けていく態勢を
事前にどれだけ整えられるか、意識して欲しい」

Text & Photographs By Yusuke Nishimura

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