― “電子決済”で中国人観光客を呼び込め! ―

雄大な阿蘇の自然に、熊本城、
そして、世界的な人気を誇るくまモン。
いま、海外からの目が熊本に向いています。
このチャンスを逃してはならないと、 県内では特に、中国人観光客の誘致に向けた動きが活発化しています。

その切り札と考えられているのが中国の電子決済システムです。
買い物の代金をスマートフォンで手軽に支払うことができるため、 中国では爆発的に普及しています。

中国からのクルーズ船が入港する八代市では、 このシステムを取り入れることで、
地元商店街の活性化につながると期待が高まっています。
(平成29年12月13日放送)

― 中国で爆発的普及“電子決済” ―

熊本市中心部の観光施設。
スマートフォンを使って買い物をする 中国人観光客の姿が目立ちます。

中国の蘇州から来た男性に話を聞くと、
「QRコードを読み取るだけでいいので、お金を持ち歩く必要がなくて便利だ」と説明してくれました。
彼らが使っているのは中国の電子決済システムです。

利用者は、あらかじめ使える金額を電子マネーとしてチャージ。
店頭では、自分のスマートフォンの画面を店の端末で読み取ってもらうなどして支払いをします。

こうした電子決済システムは、より簡単で確実な決済方法として中国で爆発的に普及。
代表的なシステムの一つ「ウィーチャットペイ」は9億人あまりが利用しています。

― 観光客誘致の切り札に ―

電子決済システムを観光客誘致の切り札にしようとしているのが八代市です。

中国からのクルーズ船の八代港への入港は、平成29年は1年間で60隻あまり。
前の年の10隻から大幅に増えています。

中国人観光客の消費を取り込むため、八代市中心部の商店街では電子決済システムの導入を進めようとしています。

いち早く導入を決意した飲食店の経営者、横尾悦二さんは
「中国ではみんな携帯で電子決済をしていると聞いていたので、設置を楽しみにしていました」と、ビジネスチャンスの拡大に大きな期待を寄せています。

― 観光客は訪れず・・・ ―

導入から5日後、八代港にクルーズ船がやってきました。
しかし、横尾さんの期待とは裏腹に中国人観光客の多くはバスに乗って熊本市内へと向かってしまいました。

結局この日、商店街を訪れた観光客はいませんでした。
システムを導入するだけでは観光客が集まらないという現実が浮き彫りになりました。

― “ビッグデータ”活用へ ―

中国人観光客を呼び込むために今後、どのように取り組む必要があるのか。
後日、地元の観光関係者らが対策を話し合いました。
その中で注目したのが、中国人観光客の動向を分析したビッグデータです。

そこで明らかになったのは、ツアーやグループとしてではなく
八代の観光地を個人で訪れる中国人観光客の存在でした。
八代にも魅力ある場所があり、その情報を発信することで呼び込みにつながることがわかったのです。

担当者らは電子決済システムの導入店舗について中国への情報発信の強化や、
八代港からの巡回バスのルートを見直し、商店街へのアクセスを改善していくことなどを確認しました。

電子決済システムの導入を進めている「くまもとDMC」の岩見龍二郎さんは
「八代の魅力を海外に発信することと、買い物しやすい環境を整え、来たお客様の満足度を高めることを一緒にやっていくことが一番重要だと思います」と話していました。

― 地域に波及・活性化へ ―

この電子決済システム、八代市のほかにも、中国人観光客が訪れる阿蘇市の商店街でも導入する構想があるということです。

今後、中国人観光客の増加が見込まれるなか、熊本県のような地方都市で中国の電子決済システムを導入することは、中国人観光客の誘致や消費を促すきっかけになると考えられます。
また、買い物をしやすく楽しんでもらえる環境づくりは「おもてなし」でもあります。
観光地の魅力を多言語で発信することも、観光客の誘致には重要だと思います。

中国人観光客のニーズを的確につかみながら、地域の活性化につなげていくことができるか。
八代市の取り組みが、熊本への観光客誘致の指標となるかもしれません。

(NHK熊本・木村隆太)

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