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「島原大変肥後迷惑」津波に関する石碑を3D画像化

熊本県立装飾古墳館で進む災害の記録を後世に伝える取り組み
  • 2024年05月13日

石碑と言えば、過去の記録や教訓などを伝えてくれるものですが、時が経つにつれての風化や劣化は避けられません。
江戸時代の「島原大変肥後迷惑」では熊本にも津波が押し寄せ、甚大な被害が発生。
当時の被害や教訓を伝える石碑が熊本県内に今も多く残されています。
そうした石碑を3D画像で後世に残そうという取り組みが進められています。
(熊本放送局・アナウンサー・石井隆広)

熊本県立装飾古墳館(山鹿市)では、島原大変肥後迷惑(寛政の大津波)に関する石碑の3D画像化を進めていて、そうした取り組みを紹介する企画展が5月19日まで開かれています。
学芸員の坂口圭太郎さんに案内してもらいました。

熊本県立装飾古墳館 坂口圭太郎さん

1792年、雲仙・普賢岳の噴火活動が断続的に続く中、近くにある眉山の斜面が崩壊して、津波が発生しました。これが「寛政の大津波」、のちに「島原大変肥後迷惑」と言われます。

巨大な津波は島原半島の対岸の熊本にも押し寄せ、熊本県内で5000人あまりが亡くなったとされています。

県立装飾古墳館によりますと、津波の犠牲になった人の供養塔やその場に津波が到達したこと示す津波石(津波境石)などの石碑が県内では49基確認されています。
しかし、当時から200年以上が経過し、石碑の所在がわからなくなったり、風化したりしています。そこで、坂口さん達は3年前から、県内に残る石碑を3D画像化する取り組みを進めています。

こちらの石碑は熊本市西区河内町に残っているもので、津波被害の教訓が書かれています。

特別に3D画像で見せてもらいました。

石碑の立体感が伝わります。また、色んな角度から見ることもできます。

さらに、画像をズームすると、彫られている文字も読むことができました。

さきほどの石碑には「欲にひかれず 速やかに逃げた者のみ命助かる」などと書いてありました。
現代にも通じるような教訓です。

坂口さん達は、これまで確認された島原大変肥後迷惑(寛政の大津波)に関する石碑のうち、およそ8割を3D画像化してきました。改めて、取り組みの意義を聞きました。

熊本県立装飾古墳館 坂口圭太郎さん
「石なので年々風化、劣化していくんですね。それを現時点の一番いい状態で記録をして残していく。先人が教訓として後世に伝えたいと残しているものを、現代の私たちがどう残していくか。それが一番課題で、この3D画像で残すことで少なくともデータ上で残り、復元もできるということがこの取り組みの一番大事なところだと考えています」

島原大変肥後迷惑(寛政の大津波)に関する石碑の3D画像化についての企画展は、山鹿市にある県立装飾古墳館で5月19日まで開かれています。

  • 石井隆広

    熊本放送局 アナウンサー

    石井隆広

    熊本県出身
    福井→熊本→東京を経て、2度目の熊本勤務。

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