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熊本長にんじん 驚きの収穫

熊本 食の映像詩
  • 2023年12月21日

 

熊本の豊かな食材や、郷土料理をシリーズで紹介する「熊本 食の映像詩」

古くから伝わる熊本の伝統野菜で、いまではあまり店頭に並ぶことがなく、幻となりつつある「熊本長にんじん」。その驚きの収穫作業を取材しました。

まるで”ごぼう” 熊本長にんじん

まるでごぼうのような細長~いにんじん「熊本長にんじん」。長さは70センチから長いもので1メートルにもなります。古くから熊本に伝わる伝統野菜で、かつては熊本の正月料理に使われていました。いまではあまり店頭に並ぶことがなく、幻の野菜となりつつあります。

70センチから長いもので1メートルになる

驚きの収穫作業

熊本市西区の西孝弘(にし・たかひろ)さんが経営する農園では、5アールの畑で「熊本長にんじん」が栽培されています。12月はじめ、正月に向けての収穫作業を取材しました。西さん、重機に乗り込むと、おもむろに長にんじんの畑の中に入っていきます。

重機を扱う西孝弘さん

すると、一気に1メートルの深さまで掘り進めていくではありませんか。長にんじんは大丈夫なのでしょうか?それが大丈夫なんです。長にんじんが植えられた横を重機で掘り起こすのですが、長にんじんそのものを傷つけることは決してありません。西さんは15年程前に実家の農業を受け継ぎましたが、それまでは建設関係の仕事をしていたので、重機の扱いはお手のものなんです。長にんじんのギリギリまで削って掘るのは、まさに名人技です。

にんじんのすぐ側を掘り進める

重機での作業の後は、細長いショベルを使って長にんじんのまわりの土を落としていくと、地中にまっすぐ伸びた長にんじんが姿を現します。最後は丁寧に手作業で収穫していきます。

 

重機を使っても傷一つない まさに名人技
最後は丁寧に手掘りで
ようやく収穫
西孝弘さん

長にんじんだから根が深いんです。ここが熊本長にんじん発祥の地なんで、農業に入る時は絶対しようと思って始めました。

大変手間がかかる栽培

収穫された長にんじんは、水洗いをして小さなひげ根を落とし、大きさを揃えてから熊本市の料亭などに出荷されます。「熊本長にんじん」は、熊本市が選定した伝統の野菜、「ひご野菜」のひとつで、長寿や物事が丸く収まることを願う縁起物として正月のおせち料理などに使われてきました。収穫だけでなく、畑を深く耕さなければならないなど、大変手間がかかることから栽培する農家が減り、長にんじんを作っているのは、熊本市では西さんの農園だけとなっています。

一本一本手洗い後、ひげ根を落とす
西孝弘さん

誰も真似出来ないくらいのおいしさにしないと、そう思って12~3年ずっとやってます。自分が作っている間ぐらいは残していこうと思います。

ねっとりとした甘さが魅力

熊本長にんじんの味の特徴は、なんといってもその甘さにあります。糖度が10度近くあり、火を通すとサツマイモのようなねっとりとした甘さが味わえます。西さんが長にんじんを出荷している日本料理の料亭では、正月用として「肥後雑煮」を作っています。中身は「熊本長にんじん」のほかに、おなじ「ひご野菜」である「肥後京菜」、「水前寺のり」、「水前寺もやし」などが入っているそうです。熊本長にんじんは、彩りを添えるだけでなく、長寿を願う縁起物として使われています。西さんは、熊本の食文化の伝統を守る意味でも、これからも熊本長にんじんを作り続けていきたいと考えています。

熊本長にんじんの入った肥後雑煮写真提供 日本料理おく村)
西孝弘さん

雑煮とか、おせちで食べるのもありでしょうが、アルミホイルに包んで焼くのも焼き芋みたいでおいしいです。とにかくおいしい野菜です。これからも日本でうちにしかないような野菜を作っていきたいです。

動画はこちら

  • 徳本晶典

    熊本局・カメラマン

    徳本晶典

    13年目
    休みの日は県内観光

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