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人吉・球磨から 世界へ

~商品開発 田畑奈津さん~
  • 2023年11月09日

熊本の皆さんのさまざまな挑戦や それぞれの一歩を伝える「Step~未来への道しるべ~」
人吉・球磨地方でとれる 青梅を使ったジャムが、国内だけでなく海外まで販路を広げています。
そこには、ある人のアイデアとふるさとへの熱い思いがありました。

人吉・球磨地方の青梅が、球磨川の川面をイメージしたという鮮やかな緑色のジャムに。

梅にバニラビーンズなどを加えた「梅バター」。海外で人気の商品から発想しました。

さらに 人吉・球磨の栗は、球磨焼酎のブランデーを加えて、モンブランのような味わいのピュレに。

こうして、人吉・球磨の恵みから生まれた20点以上に及ぶ商品は、
香港やパリ、南アフリカのセレクトショップで およそ1000個もの売り上げを誇る人気です。

アイデアの源と思い

こうした商品の開発や販売、そして輸出までを手がけるのが、田畑 奈津(たばた・なつ)さん。
「人吉・球磨の農産物には、世界に通用する魅力がある 」と4年前に起業しました。

田畑さん

印象的な味を作れたら いいなと思って。
私たちがおいしものを作って世界の皆さんに食べていただければ、
人吉・球磨を知ってもらえる チャンスが増えるだろうなと思う。

大学卒業後、社会人生活を経てアメリカに渡った田畑さん。
公認会計士として、25年をアメリカで過ごしました。
世界を舞台にしたビジネスに身を置く中で、世界中のさまざまな文化や料理に出会ったといいます。

田畑さん

その時の記憶、感じたことが、もしかしたら役に立っているかな。

そして、ふるさとの人吉に帰省する中で、あることに気づきます。

「人吉・球磨の梅やゆずは、世界では手に入れることのできない価値の高いものなのではないか 」

田畑さん

元々すごく肥沃(ひよく)な大地で太古の昔から農耕が行われてきて、
本当に豊かで なんでもある。

ふるさとの豊かな実りを世界へ

そうして、人吉・球磨の農産物を使った商品開発を始めた田畑さん。

ブランドロゴに書かれた和船には、
「球磨川の上流から下流まで、地域の恵みをくまなく集めて発信したい 」という思いを込めました。


ブランドをたちあげた時から、田畑さんのねらいは海外にありました。
東京で開催される、海外バイヤー向けの展示会などに積極的に参加。

すると 香港や南アフリカのケープタウン、1年前にはフランス・パリのセレクトショップでも取り扱いが始まりました。

パリ店
店長

和の原材料を使っていて、上品な味でパッケージも良いので選びました。
「どんな味か気になるので試してみたい」と、みな買っていきます。

田畑さん

小さな町で作っているものは どこで競争するのかといった時に、
日本の市場は飽和していて人口もどんどん減っていって、
みんなの消費もどんどん小さくなっている。本当に目指すべきは外貨だと思う。

新たな商品開発に密着

9月。田畑さんは新たな商品開発を始めるため、水上村に向かいました。

今、水上村の農家が生産する、ある作物に期待を寄せているのです。
それは、桑の実。海外では「マルベリー」と呼ばれています。

栄養価の高さから、近年注目を集めるマルベリー。
3年前に栽培を始めた水上村から「新たな特産品にできないか」と相談を受け、商品開発を始めることに決めました。

田畑さん

わあ、きれい。これはきれい!

農家
尾前さん

酸っぱいのはないと思うけど。

田畑さん

酸っぱくない!
今回たくさん とれたんですね!

農家
尾前さん

来年は、この倍はとれると思います。

田畑さん

なぜ、こういうことを言うかというと、新規製造なので
ラベルを何枚注文するかが かかっている(笑)

さっそく、マルベリーを持ち帰って商品開発の開始です。
今回は、シロップに漬け込んだ濃厚な飲み物「コーディアル」を作ることにしました。

試作は続く‥‥

秋山さん

なんか…食べたことがないような味。

炭酸水などで割って飲むことが多いコーディアル。
水上村産マルベリーの特徴である “ 自然の深い香り ” を生かすため、原料の比率を変えて、
試作を繰り返します。

田畑さん

うん、マルベリーの香りが弱いね。

そして、試行錯誤を続けること1時間。

田畑さん

桑の実きたね!

秋山さん

おいしい!


田畑さん

素材が生み出す、ハートに触れるような鮮烈な味わいというのを
作りたいなと思っていて。

水上村産のマルベリーから、見た目も美しいルビー色の コーディアルが生まれました。

田畑さん

商品が「輸出されましたよ」とか「東京に並んでいますよ」と言うと、
(生産者さんなどに)喜んでいただいていて、私たちの喜びというか、楽しみの一つ。
ぜひ海外のいろんな方に食べていただいて、「人吉・球磨」という名前を認知してもらって、遊びにきてほしい。

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