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ことば塾「稲妻&塩梅」佐藤アナ

よく使うことばですが…由来を考えたこと、ありますか?
  • 2023年10月20日

今回のテーマ①「稲妻」

今回は、私が日常会話でふと疑問に思った単語について調べてきました。

一つ目は、「稲妻」です。稲妻とは、雷に伴って生じる光のことですが…

なぜ「稲」と「妻」と表記されるのでしょうか?

「稲」「妻」の由来は

雷がたくさん発生する時期は、夏の終わりごろ。
これは、稲が開花し、実を結ぶ時期と重なっています。
このことから昔は「雷の光が稲の生長に影響して、実を結ばせている」と考えられていました。

つまり、雷の光は、稲の実りをもたらしてくれる大切な存在。
そこで、「つま(夫・妻)」という表現が使われるようになりました。

「つま」は、昔、夫婦や恋人が大切な相手を呼ぶときに男女問わず使っていた呼び方です。
雷の光は、稲にとって大切な存在、「稲」の「つま」。
ここから、現在は「つま」という読み方をする漢字「妻」を当てはめて、「稲妻」と表記するようになりました。

平安時代の蜻蛉日記にはこんな和歌が…

平安時代の蜻蛉日記には、このような和歌があります。
「いなづまの ひかりだに来ぬ 屋がくれは 軒ばの苗も ものおもふらし」。
口語で意訳すると、「稲妻さえ届かないこの家の軒のかげでは、苗も思案に暮れて伸び悩んでいるようだ」と歌っています。
昔の人たちの「雷(稲妻)」と「稲」に対する考え方を知ると、理解することができますよね。

ちなみに、この歌では、稲妻の「つま」が、夫という意味をもつ「つま」との掛詞にもなっています。「伸び悩んでいる苗が、まるでつま(=夫)が来てくれなくなった家で物思いに沈んでいる私のよう」
と、切ない気持ちも込められていたのです。

今回のテーマ②「塩梅」

二つ目のテーマは「塩梅」(あんばい)です。
「良い塩梅に仕上がったね」など、物事の具合や様子について使われることが多い言葉です。
なぜ「塩」と「梅」なんでしょうか?
調べてみました。

語源は、「塩梅」という漢字の通りで、塩と梅ですが、
ここでいう梅は、梅干しではなく、「梅酢」のことだとされています。

現在のような醸造酒を発酵させて作る「お酢」がなかった時代には、
料理の味付けに、「梅酢」=梅を漬けたときに実からしみ出す液体を使って調理していました。

基本的に料理の味付けは「塩」と「梅酢」。
この二つを使っていたことから、味付けの加減がうまくいったときに「塩梅がいい」と言っていたことが語源とされています。

元々は漢字の通り、「えんばい」と読まれていたようですが、徐々に、同じような「よい具合にする」という意味を持つ「案配」「按排」「按配」などと混同され、「あんばい」と読まれるようになったとされています。

今回は、私自身が生活のなかで素朴な疑問を抱いたことば「稲妻」と「塩梅」の由来を調べてみました。みなさんは、身近なことばで、由来が気になったものはありませんか?
どんな言葉でも構いません。ぜひ、NHKのホームページやFAX(096-311-5376)でお寄せください。

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  • 佐藤茉那

    熊本放送局アナウンサー

    佐藤茉那

    出身地: 神奈川県
    趣味はショッピング、漫画を読むこと

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