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【南阿蘇鉄道】沿線の魅力に迫る

見晴台駅・南阿蘇白川水源駅を訪ねる
  • 2023年05月19日

ことし7月に、熊本地震からの復旧を果たし全線で運転を再開する南阿蘇鉄道。
鉄道の魅力や、沿線地域の人たちの思いに迫るシリーズの第3弾です。
今回は「見晴台駅」と「南阿蘇白川水源駅」を訪ねました。
第1弾第2弾もあわせてご覧ください)

見晴らしがいいから「見晴台」

「見晴台」は、始発駅、高森駅の隣の駅です。

ホームの正面からは横たわる阿蘇五岳を展望することができます。全線でも一番といってもいいほどの見晴らしのよさ。
そう。見晴らしが良いから「見晴台駅」。そのままです。

駅舎の中には、訪問した人がメッセージを自由に書く「駅ノート」が置かれています。

CMのロケ地となったため、出演していた女優の上白石萌歌さんのファンが多く訪れていて、観光客も増えたといいます。

近くには田園風景が広がる見晴台駅。撮影した5月上旬は、田植えの時期です。

休憩していた地元の方に話を聞きました。

「すごく楽しみに待っていました。いよいよ復興か、ああよかったという思いが一番。南阿蘇鉄道は、わたしたちにとって、自慢できるものです」

「高校にいくときに乗っていましたが、あの頃はまだ、石炭で、汽笛が鳴っていて、汽車が見えてから走って乗っても間に合っていたのが良い思い出です」

当時は見晴台駅の開業前のため、阿蘇白川駅から乗っていたそうです。

白川水源の最寄り駅

南阿蘇白川水源駅は、南阿蘇鉄道のなかで一番新しい駅です。村内随一の観光名所「白川水源」の最寄り駅として開業したのは、熊本地震の起こる4年前のことでした。

駅には地元に住む伊藤幸蔵さんが営むハンバーガー店、「駅cafe'倶梨伽羅」があります。

以前は夜まで営業するカフェだったそうですが、今は地域の子どもたちが気軽に立ち寄れるような価格設定でハンバーガーや飲み物を提供しています。

店の手伝いをしているのは、店主の息子でこの春、中学生になったばかりの壮馬くん
中学生らしい期待で喜びを伝えてくれました。

(壮馬くん)
「もう中1になったので、友達と光の森に行ってみたい。南阿蘇鉄道は、全線開通したら、ぼくの遊び場です」。

立野駅まで電車が繋がれば、大人の送迎なしで、子どもだけで遊びに行ける範囲が一気に広がるのです。

この駅の近くで生まれ育った伊藤さん。観光客ももちろんですが、地元のコミュニティの場としてあり続けたいといいます。

(伊藤幸蔵さん)
「最初は実感がなくて、虚無というかさみしかった。前にあった当たり前がいまは無くなっているので、これから、新しい「当たり前」がつくられるのかなと思います。

南阿蘇鉄道は、子どもや孫の代になっても、ずっと残って欲しいなと思います。ここは、地震前もいまも変わらず、地元の人が集う駅なので、これからも地域の人と南阿蘇鉄道と、一緒に地元を盛り上げていきたいです」。

駅舎の前にはブランコが設置されていて、子どもたちの遊び場になっています。

この日も、3歳の男の子が近くに住む60代の祖母と一緒に遊びに来ていました。

(近くに住む60代女性)
「昔は通学で使っていましたが、今は孫のための南阿蘇鉄道です。孫たちは都会に行くかも知れないけれど、冬は雪景色、春は新緑の四季折々の自然のなかに、鉄道がある風景が、南阿蘇の思い出として残ってくれるといいです」


 

南阿蘇鉄道のむかしばなし

さて、南阿蘇鉄道がいかに地元に根付き、愛されてきた鉄道であるかを理解するために、この鉄道や南阿蘇村・高森町(=通称「南郷谷」)にまつわる歴史をひもとく、むかしばなしのコーナーです。

今回紹介した「見晴台駅」「南阿蘇白川水源駅」はどちらも国鉄時代にはない、第三セクターになってから開業した新しい駅です。

開業当初の駅舎(提供:南阿蘇鉄道)

開業当初は周囲に建物がなく、視界を遮るものがありませんでした。ですので、今以上に見晴らしがよかったそうです。いまでは駅のまわりに住宅が多くありますが、すべて、駅ができた後に建てられました。駅の新設がいかに地域の活性化と結びついてきたかがわかりますね。

南阿蘇白川水源駅の駅舎内には、南阿蘇鉄道の歴史を物語る写真パネルが飾られています。そのひとつに、「高森線」だったころの路線図があります。

「たかもり」の次は「あそしらかわ」。いえ、「あそしらかは」・・・。もちろん見晴台と、南阿蘇白川水源はありません。歴史を感じて少しワクワクします。

この駅のまわりは、いまでこそ田園風景が広がっていますが、伊藤さんによると、昔は山だったそうです。野生の動物も多くいて、よく遊んでいたそうです。
駅とともに、沿線地域の風景も移り変わってきたのですね。

今回はここまでです。

番組では、みなさんの南阿蘇鉄道にまつわるエピソードを募集しています。旧国鉄時代の思い出でも構いません。
「わたしと南阿蘇鉄道」というテーマで、自由にお寄せください。お待ちしています!
投稿フォームはこちらから↓
https://forms.nhk.or.jp/q/V97ZMAES

  • 北条与絵

    熊本局記者

    北条与絵

    2019年入局
    熊本市政担当などを経て、
    阿蘇支局へ。
    阿蘇の日本酒が好き。

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