スイカの名産地 熊本のスイカ出荷最盛期!
- 2023年04月26日
熊本の豊かな食材や、郷土料理をシリーズで紹介する「熊本 食の映像詩」
熊本の 「春夏大玉スイカ」
熊本は日本一のスイカの名産地。熊本市北区植木町から山鹿市鹿央町にかけての鹿本地域では、春になると大玉スイカの収穫と出荷作業が最盛期を迎えます。
出荷量日本一 熊本のスイカ
スイカの出荷量日本一を誇る熊本県。なかでも熊本市北区植木町から山鹿市鹿央町にかけての鹿本地域は、県内最大の産地で、377軒の農家がハウス栽培に励んでいます。山に囲まれた盆地に見渡すかぎり立ち並ぶハウスは壮観です。
この地域でのスイカ栽培は1960年代に始まりました。昼夜の寒暖差が大きいことや、水はけのよい火山灰土壌であることから、スイカ栽培に適していたからです。
旬は夏ではなく“春”
スイカと言えば「夏」を想像する人も多いのではないでしょうか?一般的には7月や8月になるとスーパーで見かけると思います。
しかしスイカの名産地である熊本では、スイカの旬は「春」なんです。
農業用ハウスで11月ごろに苗が植えられたスイカは、早いもので3月ごろから収穫が始まります。そして5月の大型連休の前後にかけてが、出荷の最盛期を迎えるんです。
熊本は冬場も天気が良く、スイカに必要な日照量が多いこと、また気温も比較的高いことがスイカの生育に向いていると言われます。
甘くてシャリシャリした食感 その秘けつは?
熊本のスイカの特徴は、なんといってもその甘さにあります。また、ただ甘いだけでなく、みずみずしくて、シャリシャリした食感のバランスが最高だともいいます。なぜおいしいスイカに仕上がるんでしょうか? その理由は・・。
- 1株から1玉だけを収穫する栽培法を採用
- 外の影響を受けない温度管理されたハウス栽培
- 盆地特有の気候で昼夜の寒暖差が大きい
- 水はけのよい火山灰土壌である
- 1年を通して日照条件がよい
- 収穫の20日前ごろから水はほとんどやらない JA鹿本より
収穫前に水をやらないとは驚き!です。理由は実が水っぽくなり、味が落ちるのを防ぐためなんです。
スイカ農家 スイカへの思い
山鹿市鹿央町のスイカ農家の前田博智(54)さん。父親の代からスイカ栽培を始め、前田さんも20歳からスイカづくり続けています。現在は70棟のハウスを持ち、大型連休前後の期間は、1日でおよそ1000玉のスイカを収穫しています。ハウスの中には、直径30センチほどに育ったスイカが、春の日差しを浴びて、たくさん実っていました。
スイカは人の手で交配させなければならないのですが、一日600から1000の花をひとつひとつ交配させるのが大変でした。スイカの球がついてからは、土の中の水分や、ハウス内の温度や湿度を常に気にかけて育ててきました。
ことしの1月は10年に1度の寒波が襲来して、日照不足と温度が足りない時もあって不安でしたが、その後は順調に成長して、平年並み、それ以上の出来になったと思います。ほかのスイカの産地より先駆けて出荷しているので、どこにも負けない品質のいいスイカを出していきたいです。
切ったときの風味やシャリ感を味わってもらい、熊本の旬を存分に味わってもらいたいです。家族や友人と囲むテーブルに一つこの大玉スイカを置いて食べてもらいたいです。
1日およそ40000玉!が選果場に
4月下旬からの出荷最盛期。JA鹿本の選果場には1日およそ40000玉のスイカが運び込まれます。JA鹿本によると、ことしの大玉スイカの収穫は7月上旬までつづき、全国の市場に向けておよそ160万玉の出荷を見込んでいるということです。
おいしい食べ方は?
前田さんに食べ方のおすすめを聞くと、凍らせてシャーベット状にするとひと味違った食感が楽しめていいそうです。また、皮の部分は漬けものにするとおいしく食べられますと話してくれました。