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ことば塾「鏡開き」佐藤アナ

元々の意味、知っていますか?
  • 2023年05月17日

今回のテーマ「鏡開き」

「鏡開き」とは、正月に飾っていた鏡餅を下げ、その餅を食べることです。
この「鏡開き」について、やったことはあるけれど、 由来や本来の意味を考えたことがなかったという声があったので、 改めて、もともと鏡餅にはどんな意味が込められていたのかご紹介します。 

鏡餅にはどんな意味が?

鏡餅は、正月にやってくる神様にお供えするものです。 お供えした鏡餅には年神様が宿るとされ、 正月が終わってから鏡開きをする、つまり神様が宿っていたその餅を食べることで、 運気や力を体に取り入れ無病息災を願うという意味がありました。 

なぜ「鏡」餅と言うのか?

『鏡』餅がなぜ「鏡」とついているかというと、 昔の金属製の鏡と、丸く平たい形が似ているからだと言われています。 顔や姿をうつす鏡は、古くから、神様が宿る神聖なものだとされてきたので、 神様が宿る点でも、鏡と意味合いが近いですよね。 

なぜ「開く」なのか?

「鏡開き」は、どうして「開く」と表現されるのか? 
これは、縁起の悪いことばを避けたからだと考えられます。 

餅を食べるときに刃物で切ることは、切腹を連想させるため、禁物でした。 そこで手か木槌などで割るんですが、「割る」という言葉は縁起が悪い。 そこで、「開く」と言われるようになりました。

ちなみに! 最近では、新年の祝賀会などの祝い事で酒樽のふたを割ることも 「鏡開き」と言われることが多くありますが、 実は、この酒だるを割ることについては、もともとは別の言葉で表現していました。 

それは、「鏡抜き」です。
 酒だるのふたも、鏡餅同様、丸くて平たい形が似ていることから、「鏡」と表現されていました。 そのふたを割って抜く為、「鏡を抜く」「鏡抜き」。 しかし、「抜く」ということばの語感が悪いという声もあり、 おめでたい席などでは「鏡開き」と言われるようになりました。 最近では、「鏡抜き」と「鏡開き」を同じ意味としている辞書も増えています。

このコーナーではこれからもことばに関する疑問や質問をお待ちしています。
NHKのHPやFAX(096-311-5376)などでお寄せください。

  • 佐藤茉那

    熊本放送局アナウンサー

    佐藤茉那

    出身地: 神奈川県
    趣味はショッピング、漫画を読むこと

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