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ことば塾「勝負で使われることば」佐藤アナ

「金星」「番狂わせ 」「ジャイアントキリング」の由来を調べました!
  • 2023年05月17日

今回のテーマ「勝負事の際によく使われることば」

 これらは、「勝負で格上の相手に勝つ/予想外の結果である」ことを指しています。 

「金星」の由来は?

まずは、金星(きんぼし)から。
実力差のある強い相手に勝ったときに、「大金星をあげる」などと言います。 
これはもともと相撲用語でした。 

「金星(きんぼし)」は、平幕力士が横綱を倒したときの勝ち星のこと。 
白星のなかでも特別なのが、金星です。 

ちなみに、金星をとった力士は、 本場所ごとに4万円、月給とは別にもらえます。一年に、本場所は6回ありますので、 年間24万円。これが、なんと現役引退まで、支給されるそうです。 

 少し話がそれましたが、その相撲で使っていた「金星」が転じて、以下のような現在の意味になったとされています。

「番狂わせ」の由来は?

この「番」というのは、「順序」、「物事の順番」のこと。それを「狂わせる」。
 つまり、勝負の結果が予想外だったときなどに使われます。 これも、相撲で、番付の下位者が上位者に勝つことを指して使われたことが影響して、 スポーツなどの勝負事に多く使われるようになったとされています。

「ジャイアントキリング」の由来は?

 スポーツに詳しい方は聞いたことがあるかもしれません。 「ジャイアントキリング」。
これも、格下のチームが格上の相手に勝つことを意味する言葉です。 

(サッカーの)漫画やアニメのタイトルにもなっていて、日本ではジャイキリと略して言うこともあります。
英語で表記すると「Giant Killing」。

 Giantは「巨人」、killingは「殺す」、「倒す」という意味です。 「小さきものが巨人を倒す」。
このモチーフは、古くからあります。 

例えば旧約聖書に出てくる、ダヴィデ像のダヴィデが巨人を倒したエピソードもそうです。
また、日本でも有名な童話「ジャックと豆の木」のもとになった民話も、「Jack the Giant Killer」という、ジャックが巨人を倒す話とされています。

 こうした「巨人を倒す」という表現が、色んなところで使われていて、 スポーツの世界でも言われるようになったんですね。

このコーナーではこれからもことばに関する疑問や質問をお待ちしています。
NHKのHPやFAX(096-311-5376)などでお寄せください。

  • 佐藤茉那

    熊本放送局アナウンサー

    佐藤茉那

    出身地: 神奈川県
    趣味はショッピング、漫画を読むこと

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