【随時更新】熊本地震から7年 2023年4月16日 熊本の動き
- 2023年04月16日
2023年4月16日、熊本地震の本震から7年。犠牲となった人を悼み、被害を見つめなおす一日です。阿蘇大橋や南阿蘇鉄道…県内各地の祈りや動きの最新情報をお伝えします。
南阿蘇村 0時すぎ 倒壊した東海大学アパート跡地で学生らが祈り
南阿蘇村の黒川地区では、一連の熊本地震の本震で、東海大学農学部の旧阿蘇キャンパス周辺でアパートが倒壊し大学生3人が亡くなったほか、住民1人が犠牲になりました。
本震から7年となるきょう、アパートの跡地を東海大学の学生や卒業生など、およそ20人が訪れました。そして、地震の発生時刻に合わせて黙とうし、手を合わせて亡くなった人たちを悼みました。
南阿蘇村 1:25 崩落した阿蘇大橋近くで遺族が祈り
7年前の4月16日に発生した熊本地震の本震で、南阿蘇村では大規模な土砂崩れが発生して阿蘇大橋が崩落。
車で現場近くを走っていたとみられる阿蘇市の大学生、大和晃さん(当時22歳)が亡くなりました。
命日のきょう、両親らが晃さんが見つかった現場の近くを訪れ、地震の発生時刻の午前1時25分になると、静かに祈りをささげました。
父の大和卓也さん
子どもを失った悲しみは癒えません。この時間にここに来て、あの子の当時の痛みや驚きを感じることが供養だと思い、足を運び続けています
南阿蘇村 6時ごろ 走り抜けていくJR豊肥本線
JR豊肥本線は地震で被害を受けて寸断されましたが、3年前に復旧しました。本震から7年となるきょうも、霧のかかった朝の南阿蘇村を走りぬけていきました。
南阿蘇村 8:30ごろ 阿蘇大橋近くの展望所で黙とうささげる
大規模な土砂崩れが発生し阿蘇大橋が崩落した現場近くの展望所では、サイレンが鳴ると、訪れた人たちが犠牲者に黙とうをささげる姿が見られました。
また、震災遺構として残されている崩落した橋の様子や被災の状況を伝える石碑を見て、当時の被害の大きさを改めて感じていました。
南阿蘇村 8:30ごろ アパートの大家が花壇で祈り
大家をしていたアパートの下宿と自宅が倒壊し、当時、1年生の男子学生を亡くした大家の渡邉ヒロ子さん(78)は庭には亡くなった学生を思って花壇を作りました。 四季折々の花が植えられていて、いまはサクラソウやナデシコなど8種類ほどの花がきれいに咲いています。
渡邉さんはけさ、花壇の手入れをしながら村の防災行政無線のサイレンとともに手を合わせて亡くなった学生を悼みました。
渡邉さん
7年という時間は、うまくことばに言い表わすことができず、亡くなった学生のことは 1日も忘れたことはありません。 体が元気なうちは花壇を守って、あの子が1回でも見に来てにっこり笑ってくれたらうれしいです
阿蘇神社 9:00ごろ 復興願う祈願祭 完成近づく楼門の姿も
熊本地震で大きく被災し、再建に向けた工事が進む阿蘇市の阿蘇神社では、本震から7年のきょう、1日も早い復興を願う祈願祭が 行われました。
神社のシンボルで、国の指定重要文化財「楼門」の復旧工事はすでにほとんどが終わっています。「素屋根」の撤去が進むなか、覆われているネット越しには、新しい楼門の姿も見えていました。
熊本城 10:00ごろ 進む復旧工事 地元の人や観光客の姿も
熊本城には地元の人や家族連れの観光客の姿も多くみられ、現在の復旧工事の状況などをまのあたりにしていました。
南阿蘇村 塩井社水源 10:00ごろ 復興のシンボルの水源を清掃
南阿蘇村の塩井社水源は、本震のあと、湧水が枯れ、一度は完全に干上がってしまいましたが、住民の清掃活動などの結果、2年後には再び透き通った水が湧き出しました。
そして、地域の復興の象徴として大事に守られてきました。
きょうも水源には地下から湧き出した水がたたえられていて、地元住民が清掃活動をおこなっていました。
透き通った水中には、柔らかく日の光が差していました。
南阿蘇鉄道 10:30ごろ 観光客を乗せて春の阿蘇を走る
南阿蘇鉄道ではきょうも、部分運転している区間でトロッコ列車が運行されました。
たくさんの観光客が、阿蘇山の雄大な風景や新緑に覆われた春の田園風景を楽しんでいました。
熊本地震によって、南阿蘇村の立野駅と中松駅の間の
10点6キロの区間が不通となった南阿蘇鉄道。
すでに復旧工事は終わり、ことし7月15日の7年ぶりとなる
全線での運転再開に向け、導入されたばかりの新型車両含む列車の試験運転も始まっています。
西原村 11:00ごろ 孫とともに亡き母を悼む
熊本地震で、当時83歳だった母親を亡くした西原村の園田久美代さん(66)は、 きょう、地震で倒壊した実家の跡地へ孫や夫などと訪れ、小さく設けられたお堂に手を合わせて亡き母親に祈りをささげました。
地震の5日後に生まれたのぞみさんはこの春、小学生1年生になったばかりで、 園田さんはお堂の前で真新しいランドセルを背負ったのぞみさんを母親に報告していました。
園田さん
地震直後は現実がつかめない状況だったが少しずつ復興していくのを見て、この7年が長かったようで短かった気がします。1年生になった孫たちが私の心の支えであり、母も願っていたことなので元気に育ってほしい
孫・のぞみさん
1年生になりました。学校で友達をいっぱい作りたいです
熊本市 11:00ごろ 被災した老舗かき氷店 “子どもの憩いの場”に
熊本地震で全壊し、4年前(2019)に営業を再開した熊本市中央区の老舗のかき氷店「近藤製飴本舗」は、地震の本震から7年となったきょうも子どもたちの憩いの場となっています。
被災する前と同じように地域の子どもたちに集ってほしいと、営業再開後は子どもたちにアイスを100円で販売しているほか、店のなかには食事をとれるスペースや小上がりが設けられ、くつろげるようになっています。
近藤製飴本舗 近藤佳子さん
子どもたちのにぎやかな声が聞こえる場所をつくりたいと思い営業を再開しました。困っている人がいたら今度は自分たちが助けになりたいです