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NHK熊本WEB特集 クマガジン

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復興支えたプレハブ庁舎

熊本地震 7年目の春
  • 2023年04月15日

地震で大きく損壊した益城町役場。代わって復興業務を担ってきたのは仮設のプレハブ庁舎です。まもなく役目を終える中、苦楽をともにしてきた職員に密着しました。

益城町役場 プレハブ庁舎

益城町の高台に、2階建てプレハブ造りの建物が建ち並んでいます。益城町役場仮設庁舎です。熊本地震からの復興事業の拠点として、町の機能を支えてきました。この仮設庁舎で迎える4月14日は、ことしが最後になります。

益城町役場 仮設庁舎
プレハブ造り
庁舎内部

地震で庁舎は大きく損傷

7年前の4月14日と16日。益城町は2度の震度7に見舞われました。益城町役場は、コンクリート造りにもかかわらず、柱や床が傾くなど大きく損傷し、使用出来なくなりました。そこで2ヶ月後の6月には、壊れた庁舎の北側にプレハブ庁舎を建てて、業務を始めました。2017年には、さらに北側1キロほどの場所にプレハブ庁舎を建て、以後6年間にわたって使われてきました。

損壊した益城町役場
床に走った亀裂
最初に建てられた仮設庁舎
仮設庁舎内での業務

プレハブ庁舎建設に携わった職員

益城町役場に勤める冨田健太郎さんは、このプレハブ庁舎の建設に携わった一人です。庁舎が使えなくなる中で役場の機能を維持し、被災者への対応を円滑に行えるよう、一刻も早く仮設庁舎を建設する必要に迫られていました。町の中心に断層が走ったため、仮設庁舎の設置場所は安全が最優先されました。そのため断層を避け、町を見下ろす畑地が選定されました。インフラ整備もほとんどなく、ゼロからのスタートだったといいいます。

    冨田健太郎さん

冨田健太郎さん

「何をすればいいのか、手探り状態でした。目の前の事態に対して、自分がとにかく何かをしなきゃいけないという気持ちが一番強かったですね。」

苦楽をともにしたプレハブ庁舎

プレハブ庁舎での業務が始まると、復旧・復興にかかる業務が当初の想定を大きく上回り、庁舎も2度にわたって増設されました。冨田さんは自宅が被災しながらも必死に業務にあたり、プレハブ庁舎に泊まり込むこともしばしばでした。

職員たちが泊まり込んだ部屋

冨田健太郎さん

「当時は夜間まで業務が及ぶこともありました。人によっては、事務所の空いているスペースで泊まり込むことも多かったですね。」

益城町役場 新庁舎が完成

ことし3月。立て替え工事が進められていた益城町役場の新庁舎がようやく完成しました。新庁舎での業務開始を5月8日に控え、プレハブ庁舎では、新庁舎への引っ越しの準備が進められています。住民からは、「プレハブ庁舎が無くなるとなごり惜しいです。役場の皆さんにも感謝しなくちゃいけないなと思っています。」と話す人もいました。

引っ越し前に書類のこん包

プレハブ庁舎 最後の黙とう

熊本地震から7年目の4月14日。2017年から使われてきたプレハブ庁舎では、午前8時30分の始業前に全職員が廊下に立ち、地震の犠牲者に1分間の黙とうをささげました。プレハブ庁舎で行われる最後の黙とうです。そこには冨田さんの姿もありました。

職員全員による黙とう

冨田健太郎さん

「今までいろんなことがあって、一歩一歩進んできて、ようやくたどり着いたなと考えていました。ここが無くなるのは、さみしい気持ちはありますけど、益城町が復旧、復興に向かって進んでいる一歩だと考えると、それもありかなと思います。」

プレハブ庁舎と冨田さん

プレハブ庁舎の跡地には、今後、公民館などが建設され、防災知識を学ぶことが出来るコーナーもつくられます。災害時には住民の避難所としての機能も果たすことになります。

動画はこちら

 

  • 河村信

    熊本局・カメラマン

    河村信

    東日本大震災・西日本豪雨など災害を多く取材
     令和2年熊本豪雨では潜水や水中ドローン取材にも取り組む

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