お堂を守り、守られて
熊本地震 7年目の春
- 2023年04月13日
益城町には小さな「お堂」がいくつもあり、信仰の場として親しまれてきました。地震で多くのお堂が被害を受けるなか、再建を果たしたお堂を訪ねました。
「お堂」は交流の場
4月6日、益城町寺迫地区で、ある花見の会が催されました。地域に住むお年寄りが集まり、弁当やお菓子を食べながらおしゃべりをしたり、「ふるさと」を歌ったりしながら花見を楽しんでいました。人々が集まる場のかたわらには、小さな観音堂がありました。
お堂の多くが地震で全壊
寺迫観音堂と呼ばれるこのお堂は、熊本地震のさい、全壊して石像の首が折れるなどの被害を受けました。益城町では、石像がまつられた小さなお堂が250以上あるとされ、そのうち150ほどが寺迫観音堂と同じような被害を受けたと言います。
仮設のお堂をつくる
寺迫観音堂の前で、看板店を営む軸丸雅子(79)さん。壊れたお堂に心を痛めていました。軸丸さんは自宅が大規模半壊し、仮設生活を強いられる中でも、観音堂へ毎日通い、作業場にある余った看板や柵をつなぎ合わせて、手作りのお堂をつくりました。軸丸さんは、「物心ついた時から観音様の前で手まりをついて遊んでいました。ここが一番落ち着きますね。」と話してくれました。
再建とともに交流も戻る
寺迫観音堂は、県の復興基金の助成も受けるなどして、2019年に再建を果たしました。翌年の春にようやく花見の会も再開され、地域の人々の交流の場が戻ってきました。軸丸さんは、「この場所で皆さんと集まるのが一番嬉しい。やっと元に戻ったんだなって思います。私も頑張って観音さんとともに過ごせたらなと思っていますね。」と語ってくれました。
これからも再建続く
益城町によると、現在、熊本復興基金が認められた65件のお堂の再建がおわっており、引き続きお堂の再建を進めていくということです。
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