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【熊本地震】私たちが学んだ、命を守る11のキーワード【前編】

熊本地震の教訓とは
  • 2023年04月06日

一連の熊本地震では2度にわたる震度7の揺れでおよそ20万戸の住宅が被害を受けたほか、災害関連死を含めて熊本県・大分県で276人が亡くなりました。

熊本地震から見えてきた命を守るための防災の教訓を、11のキーワードで振り返ります。

①倒壊した建物 多くが「旧耐震」

2度の震度7に襲われた益城町の中心部では、古い耐震基準(旧耐震)で建てられた住宅の3割が倒壊しました。

一度は避難したものの、2度目の本震を家で被災し、下敷きになって亡くなった人もいました。

地震後の益城町

熊本地震では圧死など、地震の直接的な被害で50人が亡くなりました。

静岡大学の牛山素行教授の調査によりますと、14日の前震の後にいったん避難したものの、その後家に戻り、家で16日の本震にあって死亡した可能性が高い人が、少なくとも13人いたということです。

古い木造住宅などでは、大きな揺れの後は必ず避難することが重要です。

住宅の耐震性は耐震診断を受けることで確認できます。多くの自治体が診断や耐震工事に補助をしているので、不安のある方は役場に相談してみてはいかがでしょうか。

②相次いだ「車中泊・軒先避難」

一連の熊本地震では前震・本震の以外にも震度6強・6弱を5回観測するなど、強い余震が相次ぎました。

その結果、建物へのダメージが大きく、多くの人が車中泊家の軒先などでの避難生活を強いられました。

NHKが地震発生から2週間後に、車中泊をしている100人に行ったアンケートでは、車中泊の理由について、69人が「余震が続き自宅に戻るのが怖い」、67人が「被害を受けて自宅に戻れない」と回答していました。

こうした生活が長期化したのも熊本地震の特徴です。

車中泊や避難所生活で警戒が必要なのが、エコノミークラス症候群です。

③「エコノミークラス症候群」で亡くなった人も…

長時間同じ姿勢でいると、足に血栓ができ、それが肺に詰まるエコノミークラス症候群を起こす可能性があります。

熊本地震では、避難生活の中でこのエコノミークラス症候群を発症し、亡くなった人もいました。

防止のためには、歩いたり、軽い体操やストレッチをしたりすることや、足をマッサージすること、水分補給をこまめにすることなどが必要です。また、締め付けが強い「弾性ストッキング」をはくのも効果的です。

④避難所生活で命を救う「スフィア基準」とは

NHKが熊本地震の2年後に災害関連死で亡くなった人について市町村に調査をした結果、避難所生活や車中泊を経験した人は211人中少なくとも95人にのぼっていました(2018年当時)。

避難所の環境について、被災者から「避難者があふれていて雑魚寝しかできなかった」「地獄のような環境だった」などといった声も聞かれました。

実は、避難所には国際基準「スフィア基準」というものが存在します。

例えば、「1人あたりのスペースは、最低3.5平方メートル(2畳分)確保する」こと。トイレについては「20人に1つの割合で設置し、かかる時間を考慮して男女比は1:3で設置する」ことなどが定められています。

こうした基準をもとに、少しでも快適な避難所を目指していくことが災害時に命を救うことにつながります。

役場の職員の人手が限られる中で、避難所の運営に住民が協力することでスムーズに運営されたケースもありました。

多いときで700人あまりが避難した西原村の河原小学校では、子どもからお年寄りまで、それぞれの得意分野を生かして役割を分担しながら避難所が運営されました。

例えば、給食調理師が炊き出しのリーダー、元自衛官が
スムーズな配膳の流れを考え、中高生は小さい子どもの
遊び相手を務めました。

災害時の共助、助け合いがより快適な避難所生活につながることを示した一例でした。 

⑤その情報って、本当?
「災害後のデマ」に注意!

地震の直後、ツイッターに「熊本市動植物園からライオンが逃げた」というデマの投稿がされ、付近の住民には不安が広がりました。

投稿者は警察に逮捕される事態となりました。

過去の災害でも事実に基づかない情報が拡散し、混乱を起こしたケースは数多くあります。災害時、SNSなどに流れる情報が正しいかどうかは冷静に見極める必要があります。

  • 岸川優也

    熊本局記者

    岸川優也

    2020年入局
    豪雨災害や事件事故の取材を中心に担当

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