熊本冬点描① 江津湖は野鳥のパラダイス!
- 2023年02月07日
カメラマンが冬の表情を映像で切り取るシリーズ 第1弾
街のそばにある野鳥の楽園
70万人を超える大都市、熊本市には、東京ドーム10個分の大きさの江津湖が広がります。この湖は阿蘇からの湧き水で成されることから、冬でも水温が高いところで18度前後あり、水生生物や植物が豊富です。それらをエサとする野鳥が冬でも多く集まってきます。
わずか半日で28種類の鳥と出会う
年間を通して120種類以上の野鳥が集まるとされるこの江津湖で、1月下旬、早朝から昼過ぎまで野鳥の撮影にチャレンジしました。すると、、、見つけました。
小さな鳥では「メジロ」「モズ」「シロハラ」「ツグミ」「ジョウビタキ」「ハクセキレイ」「キセキレイ」「カワセミ」。水辺には「マガモ」「ヨシガモ」「オオバン」「カワウ」。上空を見るとタカの仲間「ミサゴ」も飛んでいました。わずか6時間の間で、なんと28種類の野鳥と出会うことが出来ました。
絶滅危惧種「クロツラヘラサギ」
一番のお目当てだった「クロツラヘラサギ」も見つけることが出来ました。トキ科のクロツラヘラサギは、体長70センチほどで、体全体は白く、黒いへらのような形の長いくちばしが特徴です。世界でも6000羽ほどしかいないとされ、環境省の絶滅危惧種に指定されています。冬を越すために朝鮮半島から、江津湖には毎年のように飛来しています。
距離の近さが江津湖の魅力
この日撮影したのは、6羽のクロツラヘラサギ。へらのような口をくちばしを水の中に入れて、小魚やタニシなどをすくい取って食べる独特の姿も撮影出来ました。彼らとの距離は一番近くでわずか15メートルほどのこともありました。水前寺江津湖公園サービスセンターの尾崎友信さんは、「江津湖は水資源が豊富で野鳥にとっても落ち着ける場所であり、クロツラヘラサギも間近で見られるのが江津湖のいいところです。」と話してくれました。
大切にしたい身近な自然
身を刺すような寒いこの時期にも、朝からランニングや散歩をする人たちが途切れなく訪れます。きっと毎日の騒がしさから逃れ、鳥の声や水のせせらぎに癒やしを求めて訪れるのでしょう。私も熊本に来て3年、今回の取材を通して江津湖の魅力を再認識しました。街のすぐそばに広がる身近な自然。疲れた時はふらっと寄ってみたいものです。