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答申第80号

平成20年9月4日
NHK情報公開・個人情報保護審議委員会の諮問第89号に対する意見

1. 再検討の求めに至る経緯
   視聴者から受信料の訴訟費用に関して、「和解に至った訴訟の契約内容及び実際に支払った費用」および「異議申し立てを行った世帯の訴訟の契約内容及び実際に支払った費用」の開示の求めがあった。NHKでは、弁護士との契約書および弁護士に対する支払伝票が対象文書であると解して、これらはNHK情報公開規程(以下、規程という)8条1項1号、3号および6号に該当することから不開示とした。これに対しこの視聴者から「本件の金の流れはすべて公開する義務がある。誰に支払ったのかは問題にしていないので、個人名などを削除すれば事足りる。」などとして再検討の求めがあった。

2. NHKの見解の要旨
   開示および再検討の求めの対象は、NHKが弁護士に委託して受信料未払い者に対して支払い督促の申し立てをした場合で、和解で終了した事件と、異議申し立てにより訴訟に移行した事件とについて、それぞれ支払をした弁護士費用に係る「契約内容」と「実際に支払った金額」と解される。NHKは、平成18年度から受信料未払い者に対する支払い督促および訴訟に関する業務についてその一部を弁護士に委託しているが、弁護士との契約や費用の支払いにあたり、委託事件について和解で終了した事件、異議申し立てにより訴訟に移行した事件には区分していないので、開示および再検討の求めの対象文書は存在しない。
 そもそも、弁護士との契約書は守秘義務が定められており、規程8条1項6号に該当し、また、弁護士個人との契約書および個々の支払伝票には弁護士個人の報酬額が記載されていることから、規程8条1項3号の不開示情報に該当するため、開示することはできないものである。
 なお、NHKでは19年度については、支払い督促の申し立てはNHK職員が行っており、異議申し立てがあったもののうち弁護士の対応が必要なものについて弁護士に依頼している。このため、19年度については、委託事件についての弁護士への支払いはすべて異議申し立て後の訴訟事件に係る費用なので、19年度に限って支払い督促後の訴訟事件についての弁護士費用を算出することが可能である。この算出した弁護士費用は、NHKが弁護士に委託して支払い督促の申し立てをした事件に係るものではないため、開示および再検討の求めの対象文書には当たらないが、この視聴者に情報提供することとする。

3. 審議委員会の判断
   NHKは弁護士に委託して支払い督促の申し立てをした事件に係る弁護士費用について、和解で終了した事件、異議申し立てにより訴訟に移行した事件には区分していないと認められる。したがって、開示および再検討の求めの対象文書は存在せず、不開示としたNHKの取扱いは妥当である。

4. 審議の経過
 
平成20年  4月24日  (第101回審議委員会)  第89号諮問、審議
   5月21日  (第102回審議委員会)  審議
   6月 5日  (第103回審議委員会)  審議
   7月 4日  (第104回審議委員会)  審議
   7月22日  (第105回審議委員会)  審議
   9月 4日  (第106回審議委員会)  審議、答申

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