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答申第65号

平成19年11月1日
NHK情報公開・個人情報保護審議委員会の諮問第68号に対する意見

1. 審議委員会の結論
 

 過去5年分(平成13年度から17年度まで)の美術展によるNHKへの収入を開示すべきである。


2. 再検討の求めに至る経緯
 

 視聴者から、「NHKが主催した美術展について、開催された美術展の詳細(入場者数、収支)およびNHKへの収入、関与した子会社が分かる文書、過去5年分」の開示の求めがあった。NHKは、平成13年度から17年度までの間に完結した64件の美術展について、タイトル、主催者、開催期間、開催地および入場者数を記した一覧表と、関与した子会社が記された各美術展のチラシを開示したが、過去5年間の美術展の収支およびNHKへの収入については、NHKの事業活動に支障を及ぼすおそれがあるなどとして不開示とした。これに対しこの視聴者から、美術展はNHKの本来の目的である放送から逸脱しており、受信料が充てられている可能性が指摘されているのであるからこれらの情報は開示すべきであるとして、再検討の求めがあった。


3. NHKの見解の要旨
   NHKは、本来業務である放送に付帯する業務(放送法9条2項2号)として美術展などのイベントを行っており、そのうちの一部は受益者負担の観点から有料で実施している。開示を求められている過去5年間、有料の美術展は、すべて、NHKとNHKプロモーションなどの関連団体、新聞社や美術館なとの共催で実施しており、開示した64件の美術展のうち、いわゆる名義共催を除きNHKが収支に責任を負う契約を結んだものは41件であった。再検討が求められている美術展の収支には作品の借用料や輸送料、会場関係費、周知費用などが含まれ、これらを開示すると美術展開催に関するNHKのノウハウが明らかになる。また、借用料や会場関係費などが明らかにされることで、作品所蔵者や共催者との信頼関係を損ねるおそれもある。このため、NHKの事業活動に支障を及ぼすおそれがあり、NHK情報公開規程(以下「規程」という)8条1項1号に該当する。また、美術展の共催者である新聞社や美術館についても個別のイベントの成否や独自のノウハウ等が明らかになり、共催者の権利、競争上の地位その他事業の遂行を害するおそれがあるため、規程8条1項4号の不開示情報に該当する。また、過去5年分のNHKへの収入については、美術展の収支の一部を構成するものであり、同様に開示することはできない。

4. 審議委員会の判断
   過去5年間の美術展によるNHKへの収入については、これを開示してもNHKおよびNHK以外の共催者の事業活動に支障を及ぼすおそれがあるとは認められない。したがって、過去5年分のNHKへの収入を年度ごとに開示すべきである。
 一方、NHKは平成13年度から17年度までの5年間に64件の美術展を主催したが、NHKが収支に責任を負ったものは41件であり、これら個々の美術展の収支を開示すると、イベント運営のノウハウが明らかになり、NHKおよび共催者の事業の遂行を害するおそれがあり、規程8条1項1号および4号に該当すると認められ、これを不開示としたNHKの取り扱いは妥当である。

5. 審議の経過
 
平成19年
 3月22日
 (第80回審議委員会)  第68号諮問、審議
 
 4月 5日
 (第81回審議委員会)  審議
 
 5月10日
 (第83回審議委員会)  審議
 
 6月14日
 (第85回審議委員会)  審議
 
 6月28日
 (第86回審議委員会)  審議
 
 7月12日
 (第87回審議委員会)  審議
 
 7月30日
 (第88回審議委員会)  審議
 
 9月14日
 (第89回審議委員会)  審議
 
 9月26日
 (第90回審議委員会)  審議
 
10月11日
 (第91回審議委員会)  審議
 
11月 1日
 (第92回審議委員会)  審議、答申

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