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答申第32号 |
平成17年12月22日 |
NHK情報公開・個人情報保護審議委員会の諮問第36号に対する意見 |
1. |
審議委員会の結論 |
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平成16年9月から平成17年3月までの理事会議事録の中で、資金の不正使用問題とその善後策および受信料不払いの急増について議論された議事録のうち、契約によりNHKが守秘義務を課せられている法律事務所の名称を除き、開示すべきである。NHKと政治の関係の諸問題については、理事会の議事録は存在しないことが認められる。 |
2. |
再検討の求めに至る経緯 |
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視聴者から、「平成16年9月以降平成17年3月までに開催された理事会の議事録全て」という開示の求めがあった。これに対してNHKは、「7ヶ月に及ぶ期間の理事会の議事録すべてを公開することは、長期間にわたるNHKの日々の業務執行に関係する事項を明らかにすることであり、NHK情報公開規程第8条第1項第1号の『事業活動に支障を及ぼすおそれがあるもの』に該当し、開示できない」とした。これに対して視聴者から、「企業でいう取締役会の謄写閲覧請求と事実上同じものであるため、NHKの回答は不本意であるが、再検討の求めとして、 NHKと政治の関係の諸問題(朝日新聞記事問題を含む)について議論された事項、 資金の不正使用問題に関して、事実関係の解明や、その善後策などについて議論された事項、 急増している受信料の不払いの事実関係や対応策について議論された事項、の3点について開示を求める。」として再検討の求めが出された。 |
3. |
NHKの見解の要旨 |
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当初の開示の求めは、長期間にわたって理事会で審議された案件の議事録すべてに対する開示の求めだったため、上記の理由で不開示とした。しかし、再検討の求めで対象範囲が絞られたため、求められている項目についての理事会の議事録を開示する。ただし、再検討の求めの の案件は、理事会では審議されていないので、該当文書は存在しない。
なお、再検討の求めを行った視聴者が「企業でいう取締役会の謄写閲覧請求と事実上同じものである」と述べている点について以下に付言する。NHKの理事会は、放送法第25条第2項により「定款の定めるところにより、協会の重要業務について審議する」と規定されており、審議機関である。協会の業務を執行する上での必要な決定は「協会を代表し、経営委員会の定めるところに従い、その業務を総理する」(放送法第26条)会長が行うことと定められている。さらに「協会の経営方針その他その業務の運営に関する重要事項を決定する権限と責任を有する」(放送法第13条第2項)経営委員会が最高意思決定機関である。したがって、NHKにおける理事会は、「企業でいう取締役会」とは位置付けや役割が全く違うものである
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4. |
審議委員会の判断 |
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NHKの「理事会運営規程」第9条で「理事会に議事録を備え、次の事項を記載する」として、「一 開催月日及び場所、二 開会及び閉会の時間、三 出席者の氏名、四 議案、五 議事の概要、六 その他必要と認められる事項」とされている。この規程に則って作成された文書として、審議事項と報告事項の標題および審議結果が記された文書と、議案を記した文書が存在し、これらが開示の求めに該当する文書である。この中で、再検討の求めの3項目のうち、 については、該当する案件が存在しないことが認められる。 と については、該当する案件の議事録が存在する。このうち の案件の中に、契約によりNHKが守秘義務を課せられている法律事務所の名称があるので、この部分を除いて開示すべきである |
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5. |
審議の経過 |
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平成17年 |
11月10日 |
(第51回審議委員会) |
第36号諮問 |
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(第52回審議委員会) |
審議 |
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12月 8日 |
(第53回審議委員会) |
審議 |
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12月22日 |
(第54回審議委員会) |
審議・答申 |
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