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答申第14号 平成16年12月9日
NHK情報公開審議委員会の諮問第15号に対する意見

1. 審議委員会の結論
   本部放送センター内懲戒免職処分一覧のうち、処分発令日中の年月(2か所)、所属・職位中の職位(4か所)、事由及び処分理由中の地名(3か所)は、開示すべきである。

2. 再検討の求めに至る経緯
   1996年度から2004年度までの本部・放送センター内の懲戒免職処分について、事実概要と処分理由、年月日、氏名、所属などの開示の求めに対し、NHKは、本部放送センター内懲戒免職事案一覧のうち、処分発令の日(男女関係・セクハラの場合は年月日)、氏名、所属・職位、事由(男女関係・セクハラの場合は全部、その他の場合は地名の部分)、処分理由のうち地名の部分を不開示とした。
 これに対し、開示の求めを行った視聴者から、情報公開基準の施行から3年が経過し、発令日、氏名、所属・職位の個人情報の開示を再検討すべき時期であり、少なくとも所属、性別、年齢には検討の余地があるとして再検討の求めが出された。

3.

不開示としたNHKの見解の要旨

   不開示とした部分は、NHK情報公開規定第8条第1項第3号に規定する「個人に関する一切の事項についての事実、判断、評価等の情報であって、当該情報に含まれる名前その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの、または特定の個人を識別することはできないが、開示することにより、当該個人の権利利益を害するおそれがあるもの」に該当する。

4. 審議委員会の判断
   当審議委員会は、「職員の懲戒処分等に係る文書の一部開示等に対する再検討の求めについて」(平成13年10月12日付け第1号答申)において、「被処分者の氏名は、基本的な個人情報であり、本号(NHK情報公開規定第8条第1項第3号)に該当する。また、それだけでは個人を識別できる情報とはならないが、他の情報とつなぎ合わせることで個人の識別が可能となる情報も、一体として個人情報と解すべきである。よって、処分発令日、所属・職位も本号に該当する。」とした。
 「他の情報とつなぎ合わせることで個人の識別が可能となる情報」については、個人を識別できる可能性が高い情報だけが同規定第8条第1項第3号に規定する個人情報に該当すると解すべきである。また、第8条第1項は、同項各号に該当する情報の全てを開示してはならないと定めたものではない。
 したがって、第1号答申の上記記述は、処分発令日、所属・職位が第8条第1項第3号に該当することをもって常に不開示情報であるとする趣旨ではない。他の情報とつなぎ合わせることで個人の識別が可能となる場合には、個別に不開示にすべき部分であるかどうかを判断しなければならないものであり、その判断にあたっては、NHKの情報公開が視聴者に対する説明責務を果たすための自主的な仕組みであることと、NHKが公共放送としての社会的責任を負っていることに留意して、個人情報・プライバシーの保護のために不開示とする部分は極力少なくすべきである。特に、一連の不祥事を契機として、NHKの視聴者に対する説明責務は、一段と重くなっているので、そのことを自覚して、開示すべき部分を判断すべきである。例えば、懲戒処分の金品・物損事故案については、昨今のNHKに求められている説明責務、社会的責任を考慮して、懲戒免職処分以外の処分も、懲戒免職処分の開示すべき範囲に準じた範囲を開示すべきである。
 また、NHKにおいて既に公表した情報については、個人情報・プライバシーの保護のために今後は開示すべきではないと判断される特別の場合を除き、開示すべきである。
 このような考えをもとに、開示の対象となった5件について検討すると、まず、懲戒免職の処分発令日の年月は、NHKが公表している人事情報に含まれているので、開示すべきである。男女関係・セクハラの事案では、関係者のプライバシーの保護を優先して考慮すべきであるが、処分発令日の年月は、通常は、被処分者の個人の識別に関係する情報であっても、関係者のプライバシーに関する情報ではないので、開示すべきものである。
 職位については、第1号答申では、「所属・職位」として所属と一体のものと捉えて不開示としたが、通常は、所属が不開示である場合には、職位から個人を特定することは困難であるので(なお、男女関係・セクハラの事案での職位は、通常は、被処分者の個人の識別に関係する情報であっても、関係者のプライバシーの保護に関する情報ではない。)、開示することが適当であると判断する。
 事由及び処分理由中の地名については、本件においては、当該地名を不開示としないと他の情報とつなぎ合わせることで個人の識別が可能になるものではないので、開示すべきであると考える。

5. 審議の経過
 
平成16年  9月30日  (第27回審議委員会)  第15号諮問
  10月14日   (第28回審議委員会)  審議
  11月 2日   (第29回審議委員会)   審議
  11月11日   (第30回審議委員会)   審議
  11月22日   (第31回審議委員会)   審議
  12月 9日   (第32回審議委員会)   審議・答申


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