【10月19日(日)放送】悠久の流れとともに 〜三重県 紀宝町〜

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平安の昔から、熊野詣の参詣道として川舟が往来した世界遺産・熊野川(くまのがわ)。
下流の三重県紀宝町では、漁や物資の運搬など、川を中心に暮らしが営まれてきました。地元では、川舟文化を守り伝えたいと、船大工たちが伝統の船を復活させ、旅人に川を案内しています。一方で、熊野川は“暴れ川”と呼ばれ、しばしば氾濫し、人々を苦しめてきました。悠久の流れが育む文化や恵みとともに、たくましく生きる人々に出会う旅です。

地図
アクセス

<電車>
名古屋方面から:
JR名古屋駅→JR新宮駅(特急で約3時間半)→JR鵜殿駅(紀勢本線で1駅)

大阪方面から:
JR新大阪駅→JR新宮駅(特急で約4時間)→JR鵜殿駅(紀勢本線で1駅)

<車>
名古屋方面から:
紀勢自動車道「熊野大泊IC」→国道42号を新宮方面へ(約1時間)

大阪方面から:
阪和自動車道「田辺IC」→国道311号、国道168号を新宮方面へ(約2時間30分)

再放送予定

10月20日(月) 午前11:05

10月25日(土) 午前 5:15

旅の見どころ

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三重・和歌山・奈良の3県を流れる全長183キロの熊野川。平安時代から熊野詣でをする皇族や貴族が船で行き来しました。2004年には、「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部として世界遺産に登録されました。川として世界遺産に登録されているのは日本でただひとつ。また、道路が整備される昭和30年代までは、木材や炭等の生活物資を運ぶ船が行き交い、人々の暮らしを支えていました。

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三反帆(さんだんぼ)は、江戸時代から伝わる熊野川独特の川舟です。午前中は川下に、午後には川上に向かって吹く熊野川の風を利用し、物資を輸送していました。3枚の帆の隙間から余分な風が逃げ、舟が安定するといいます。昭和に入り、エンジンつきの船の普及などによって姿を消しましたが、7年前、紀宝町の船大工たちが観光船として復活させました。ゆっくりと進む三反帆では、雄大な自然に溶け込むようなひとときを味わうことができます。

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熊野川は、四季折々、豊かな恵みをもたらします。秋といえば、ズガニ(モクズガニ)漁です。産卵をひかえたズガニは、卵とみそがたっぷり。酒のあてにもぴったりのごちそうです。流域の人々は、幼い頃、川遊びのなかでズガニをとっていました。漁師のもとには、この時期、子どものころに食べた味を忘れられない人からの連絡が次々と来るそうです。おすそわけをしあい、昔話に花が咲く。人々をつなぐ、熊野川のささやかな恵みです。

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※掲載情報は、放送当時のものです。情報が変わっている場合がありますが、ご了承ください。

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