【9月21日(日)放送】うーうみとおばあ 〜沖縄県 大宜味村〜

NHKオンデマンド
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赤瓦屋根の家々と青い海が広がる沖縄本島北部の大宜味村喜如嘉(きじょか)地区。
ここでは、琉球王朝時代から続く伝統の「芭蕉布」(ばしょうふ)作りが行われています。中でも経験が必要とされるのは、芭蕉の繊維を一本一本結んで糸にする「うーうみ」と呼ばれる手仕事。夏、軒先では、さわやかな風の中、おばあたちが静かに糸を紡ぎます。貧困や沖縄戦など困難な時代を乗り越え、芭蕉布を懸命に守り続けてきた女性たちの物語です。

地図
アクセス

<車>
那覇空港から車で2時間
沖縄自動車道「許田IC」から1時間 (国道58号線を北上)

再放送予定

9月22日(月) 午前 11:05

9月27日(土) 午前 5:15

旅の見どころ

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人口430人ほどの小さな集落、喜如嘉は沖縄県内一の芭蕉布の産地です。青い海と深い山々に囲まれた喜如嘉は、平地が少なく農作物が育ちにくい土地であるうえ、大正時代、男たちは船大工として村外に出て働いていました。そこで女たちが村を守るために、生命力が強い糸芭蕉を栽培し、芭蕉布づくりを産業にしていきました。集落内では青々と輝く芭蕉畑が点在し、女性たちによって手入れがされています。芭蕉布会館では、糸作りから織りまでの作業を見ることができます。

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500年以上前から作られている芭蕉布(ばしょうふ)は、庶民の日常着でありながら、首里の王族にも愛されていた織物でした。地の生成色の糸に琉球藍(りゅうきゅうあい)や車輪梅(しゃりんばい)など植物染料で染め上げた鮮やかな藍色、赤、黄色の煮綛(ニーガシー)芭蕉布。「トンボの羽」に例えられるほど、薄く軽い芭蕉布は、蒸し暑い沖縄の気候にあった涼しげな肌触りが特徴です。喜如嘉では、沖縄の人々を魅了してきた美しく繊細な芭蕉布を、今も作り続けています。

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芭蕉布づくりの中でいちばん時間がかかるのが「うーうみ」と呼ばれる糸紡ぎ。汚れを取り除いて乾燥させた糸芭蕉の繊維を細く割いて結び、一本の糸にしていきます。着物一反分にするには2万2千回結ばなくてはなりません。根気と熟練の技術がいるこの作業は昔からおばあたちの仕事でした。集落を歩くと縁側でおばあが、せっせとうーうみに励んでいる姿が見られます。うーうみは、おばあたちの生活の一部。皆、うーうみをしてないと心にぽっかりと穴が空いたように寂しいと言います。

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※掲載情報は、放送当時のものです。情報が変わっている場合がありますが、ご了承ください。

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