【7月27日(日)放送】 幸せ運ぶ まわり地蔵 〜埼玉県 羽生市〜

NHKオンデマンド
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関東の大河・利根川中流に位置する埼玉県羽生市。
人々は度重なる水害と闘ってきました。盛り土をした「水塚(みつか)」がその歴史を今に伝えます。本川俣地区には、江戸時代に水害で犠牲となった人々を供養するために作られた地蔵を、家から家へとリレーしてまわる「まわり地蔵」という風習が260年以上続いています。稲作農家、家族総出で迎える家、そして特産の金魚養殖を営む方。地蔵のリレーとともに思いを寄せる人々に出会う旅です。

地図
アクセス

<電車>
浅草駅または北千住駅→東武鉄道スカイツリーライン(伊勢崎線)羽生駅
JR上越新幹線・高崎線 熊谷駅→秩父鉄道秩父線羽生駅

<車>
東北自動車道 羽生インター

再放送予定

7月28日(月) 午前11:05
8月2日(土) 午前 5:15

旅の見どころ

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「まわり地蔵」が作られたのは260年前。利根川の洪水で被災した、羽生市本川俣地区を訪れた江戸浅草の僧侶、松阿(しょうあ)上人が、犠牲者の供養と村の平穏無事を祈ろうと、江戸市中から寄付を集め作ったと伝えられています。地蔵は木でできていて、りりしい姿が印象的です。足元には引き出しがあり、線香などが入っています。
毎年8月23日には、本川俣の千手院で地蔵祭りがあり、本堂で地蔵が公開されます。

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本川俣地区の103軒の家をおよそ1年かけてお地蔵さんがまわります。各家で数日滞在し、次の家まで背負って届けられます。江戸時代に地蔵を作った松阿上人は、担いで家々をまわりました。その後地元の人々が受け継いでいます。届けられた地蔵は、それぞれの家で、玄関や居間などに大切に置かれます。地蔵が来ると、お菓子やだんごを供えたり、家族や親戚が見に来るなど、本川俣地区の暮らしに深く根づいています。

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利根川流域の埼玉県北部は、かつては湿地や沼が点在していました。明治時代にこうした土地をいかそうと、コイやフナなどの養殖業が始まりました。現在もキンギョやメダカ、コイなど、観賞用や食用の淡水魚養殖が盛んです。地蔵がまわる本川俣地区の田辺博志さん(86)は、金魚の一種「ランチュウ」を大切に育てています。魚は、隣の加須市にある淡水の観賞魚の市場に出荷しています。市場は、関東一円から買いつけにきた人たちでにぎわいます。

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※掲載情報は、放送当時のものです。情報が変わっている場合がありますが、ご了承ください。

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