それでも火山の麓で 〜鹿児島県 桜島〜

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鹿児島湾の中心、桜島。
大正の大噴火からことしで100年。今も年間800回以上噴火している桜島は、麓(ふもと)に生きる人々の暮らしを見守ってきました。60年以上耕し続けている畑から毎日桜島を眺め、噴火を子守歌だという女性。海には溶岩地帯が育むガンガゼと呼ばれるウニの漁に挑む親子がいます。火口近くの集落では、火山観測所で勤め上げた男性が大噴火を生き延びてきた椿(つばき)を大切に育てていました。火山とともに生きる人々を訪ねます。

地図
アクセス

東京・大阪方面から:
鹿児島空港→空港バス「金生町」または「天文館」下車→徒歩約15分で鹿児島港→桜島フェリーで15分

福岡方面から:
九州新幹線「鹿児島中央駅」→市電「市役所前」下車→徒歩約10分で鹿児島港→桜島フェリーで15分

再放送予定

5月12日(月) 午前11:05
5月17日(土) 午前 5:15

旅の見どころ

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過去にいくつもの大噴火を繰り返してきた桜島。その度に溶岩が流れ、急しゅんで険しい地形を作ってきました。そんな中で暮らしを営んできた昔ながらの知恵が、今でも集落に残っています。切り立った山の斜面にある畑を60年近く耕し続ける上ノ下光子さん。サヤエンドウやビワなどさまざまな作物を1人で育てる上ノ下さんは、とれた野菜を畑に出られなくなった近所の人たちに配ります。そのときに、必ず荷物を頭に乗せて運ぶ上ノ下さん。細くて急な山道が多かった昔からの習慣が今も受け継がれています。

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ゴツゴツとした溶岩地帯は海底まで続き、独特な生態系を育んでいます。そんな豊かな岩礁に生息するウニ、「ガンガゼ」漁で生活しているのが磯辺昭信さんと息子の昭之さん親子。ガンガゼはトゲに毒を持っているため、漁や加工に手間がかかり食用とされてきませんでした。やっかい者扱いされていたガンガゼを桜島の産物として生かしたいと、33年前に漁を始めた昭信さん。父の背中を見て育った昭之さんは、漁を継いで桜島の海で生きていく覚悟を固めています。

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今からちょうど100年前の大正3年1月12日。国内で20世紀最大の噴火と言われる大正大噴火が起こりました。1日で約2メートルの火山灰が降り積もり、合計30億トンもの溶岩が流れ出た大噴火。建物は倒壊し、植物は灰に埋もれてしまった中、生き延びて樹齢100年を越える1本のつばきがあります。祖父の代から受け継いだそのつばきを大切に世話しているのが山鐵朗さん。高卒後から定年退職まで桜島の火山活動研究センターで働き、火山を見つめ続けてきた人生を「灰まみれでも楽しかった」と語ります。

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