【3月9日(日)放送】雪の機(はた)〜新潟県 南魚沼市〜

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豪雪の新潟県南魚沼市。
深い雪が生む湿気の中で織られるのが、「越後上布」。越後の女性が継いできた伝統の麻織物です。かつて男たちが出稼ぎに行った冬、内職をして家を守ってきました。材料の麻糸をつなぐ「苧績み」(おうみ)をするのは86歳の女性。上布の美しさにひかれ、移住して機に向かう人も。傍らには、機の神が宿るという「巻機山」(まきはたやま)がそびえます。越後上布を漂白する「雪さらし」や、江戸時代の書物「北越雪譜」(ほくえつせっぷ)にもつづられた「雪ほり」などの風景と共に、雪国の暮らしの輝きに触れる旅です。

地図
アクセス

<電車>
東京駅から:
上越新幹線「越後湯沢駅」→JR上越線「塩沢駅」下車(約1時間30分)
新潟駅から:
上越新幹線「浦佐駅」→JR上越線「塩沢駅」下車(約1時間)


<車>
東京から:
練馬IC→塩沢石打IC→南魚沼市内(旧塩沢町)(約3時間半)
新潟から:
新潟中央IC→塩沢石打IC→南魚沼市内(旧塩沢町)(約2時間)

※雪の状況によって時間は変わります


再放送予定

3月13日(木) 午前11:05
3月15日(土) 午前 5:15

旅の見どころ

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新潟県南魚沼市は、1メートル以上の雪が積もる豪雪地帯。積もる雪は家を覆うほどです。この地方では、雪下ろしや雪かきを、「雪ほり」といいます。
何軒かの家では、木の板にろうを塗った「雪とよ」で、雪を次々に滑らせ屋根の下に落としていきます。この「雪とよ」は、明治の頃から使われているものです。
屋根の端までいかずに、雪を下ろす知恵が、大切に受け継がれています。

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人々は雪の中に技を育んできました。農閑期の仕事として栄えた機織り。中でも、雪が生む高い湿度の中で織られる麻織物「越後上布」は、薄くて軽く、夏の着物に使う高級な反物として人々を魅了しました。技を受け継ぐ一人、石神雅子さんは、越後上布の素朴な深みにひかれて、新潟市から南魚沼に移り住みました。麻糸は乾燥を嫌うため、暖房をつけず氷点下で糸に向き合う日々。それでも「自分の手で織れてうれしい」と笑います。

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江戸時代、良い越後上布は一反(いったん)でコメ農家の年収の半分ほどになったため、女性たちは家計を支えようと必死で機を織ったといわれています。機の神が宿る「巻機山(まきはたやま)」の麓(ふもと)にある神社には、織り子たちが腕の上達を祈願して納めた布「奉納幟(ばた)」が残っています。社殿に掛けられた奉納幟。腕の良い織り子には、布を見た人から良い仕事や嫁ぎ先が紹介されることもあったのだとか。今も、祈願しにくる織り子がいるそうです。

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※掲載情報は、放送当時のものです。情報が変わっている場合がありますが、ご了承ください。

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