【1月5日(日)放送】陽(ひ)のあたる斜面 〜山梨県 上野原市西原〜

NHKオンデマンド
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山梨県の東、660人が暮らす上野原市西原(さいはら)。
山々に囲まれた急斜面のため水田はできず、人々は山を切り開いて作った畑で作物を作って暮らしてきました。斜面の畑を耕し、子どもたちの笑顔を思って冬野菜を収穫する女性。「タネだけは絶やすな」と言い残した父の教えを守り、今も雑穀を育てる兄弟。斜面の上、遮るもののない絶景に抱かれ暮らす夫婦。東京から移り住んだ若者。西原を明るく彩るイルミネーション。冬深まる風景とともに、暖かな陽(ひ)の注ぐ山里の暮らしを見つめる旅です。

地図
アクセス

<電車>
東京方面から:
JR中央線「新宿駅」→「八王子駅」→中央本線「上野原駅」(約1時間15分)→富士急山梨バス(「飯尾(いいお)」行き)→「西原支所前」下車(約40〜50分)
※バスの本数が少ないので、事前に確認された方が安全です。

<車>
中央自動車道 上野原IC→県道33号線→県道18号線→西原(約40分)


再放送予定

1月9日(木) 午前11:05
1月11日(土) 午前 5:15

旅の見どころ

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転がり落ちそうなほどの急斜面にある畑。南向きで日ざしをいっぱいに浴びる畑で、舩木澄江さん(73)は野菜を作っています。大変なのは収穫後に畑を耕すこと。1年のうちに斜面の下へ落ちた土を上げるように耕し、春に備えます。これを地域では「うない上げる」といいます。舩木さんは、離れて暮らす子どもたち、孫たちに野菜を送ることを楽しみに、毎日のように畑に立っています。「おみやげって土の産まれるって書くからね」。舩木さんの言葉です。

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冬晴れの下、響くのは脱穀の音。兄弟2人暮らしで昔ながらの農業を行う、中川智さん(76)、仁さん(58)です。秋に収穫し、乾燥させていた雑穀を、千歯こきや木槌(きづち)などの道具を使い脱穀します。中川さん兄弟が育てる雑穀は20種類以上。ずっと西原で作られてきたものばかりです。2人の父、勇さんの口癖だった「タネは絶やすな」という教えを守りながら、大切に育てています。中川家の夕食は手打ちのそば。受け継いだタネが、質素でぜいたくな日常を支えています。

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西原で最も早く朝日を浴びる家に住む、降矢量男さん(75)、文代さん(74)。斜面の上に立つ家は、山々が目の前に迫ります。自家用の野菜を作り、夫婦二人でのんびりと暮らすご夫婦。量男さんで13代目となる降矢家は代々この地を守ってきました。庭先には、かつて家族総出で掘ったという、地下3メートルにもなる室(むろ)があります。作物の少ない冬の間、サツマイモやサトイモを保存しておく貯蔵庫です。夏も冬も温度は18度ほどと一定。山の上の暮らしを支える知恵です。

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※掲載情報は、放送当時のものです。情報が変わっている場合がありますが、ご了承ください。

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